「100を0にしないチャレンジは続く」
今日は、3年生12名のためにワンデイ・イングリッシュ・セミナーを開催しました。
3月にカナダ語学研修を予定していた生徒たちは、2年生の後半に20回に及ぶ準備学習を重ねてきたにもかかわらず、コロナのためにカナダに行けなかったのです。
文部科学省は、調査書に「〇〇に行く予定であったがコロナのために中止になった」旨を書いてもよいと全国の教育委員会に通知しました。でも思うのですが、大切なことは「〇〇に参加して◇◇の学びを重ねた」という点です。
ならば「〇〇に行く予定であったがコロナのために中止になり、こんなことでくじけてたまるかと代替の▽▽に参加して◇◇の学びを進めた」という高校時代にしてあげたい。
とはいえ、3年生はもう受験勉強の補習の毎日だったり、就職に向けての準備の真っ最中だったりする。研修旅行担当の今井先生や3年の学年団と相談して何とか「1日」だったら、空けられるかも…となりました。でも企画はどうする? 蘇南高校の先生たちの企画ならば、補習のひとつになってしまう。学校では味わえない、この生徒たちだけのための特別企画にしたい。英語オンリーで1日を過ごすことで外国語を使う喜びを体感し、さらには異文化とふれあい理解し合うことの感動を体験したい。
松本市にある英語スクールで、多くのALTを育成している「A to Z」さんに私たちの思いを相談したのが2カ月前のこと。「A to Z」さんはこの思いの実現に本当に尽力してくださいました。
そして南木曽町が生徒の参加費用の半額を支援してくださいました。
会場は、松本市のネッツトヨタ信州・鎌田店の中にある会議室。企業の研修で使うような素敵な部屋でした。この非日常的な雰囲気もいい。南木曽から松本まで野球部のマイクロバスを借りて2時間半をかけて松本に来たのです。今井先生と竹岡先生の引率です。運転手は野球部顧問の大野田先生。
…で、セミナーがどうだったかと言うと、まあよく生徒が英語をしゃべること! 必死に、そして楽しく、笑顔で、普段ならば考えられないくらいの身体表現とともに、です。それを引き出したのは、「A to Z」の先生方です。生徒12人に3人のALTですから、生徒は待っている時間がない。つねに対話をする当事者でありつづける環境に身をおいています。
今日のテーマを一言で言えば、「広い世界をふれあい、わかりあおうとすることほど楽しいものはない」ということ。「A to Z」の先生方が渾身の力を込めた、そのメッセージは、生徒たちの心にしっかり届いていたと思いました。
帰りのバスのなかで生徒たちは「つかれた~」と笑顔で言っていたとか。
それって、外国旅行からな成田空港の到着ロビーに帰ってきたときに、思わずつぶやく言葉ですよね。
生徒たちは、今回も「100を0にしなかった」のです。