「テキストの意味決定権は読者にある」

蘇南高等学校長

2021年04月02日 17:05

 今日は9時から2時間ほど初職員会を行い、令和3年度が本格的に動き出しました。杉山教頭をはじめ、11名の教職員を拍手で迎えました。

 私から30分ほど(長い…)、一年間の学校経営方針を語りました。校長通信『ブリコラージュ』も2年目に入り、今回で39号になります。(かなり具体的な内容が盛り込まれているので一般公開はしていません。)
 学校の方向性について、哲学的な基盤をすえるところは、昨年からの継続です。生徒の「開拓者精神」を育成する方向性を、自分たちで思索し対話して構想していくことが大切だと思うからです。

 一つ目の哲学は、文化人類学者レヴィストロースの『野生の思考』のなかにある「ブリコラージュ」(自分が持っている経験・知識で目の前の壁を乗り越えること)です。本校では、生徒たちも普通に「ブリコラージュする」と言うようになっています。ウィズ・コロナの時代はまだまだ続きますから、ブリコラージュの挑戦を続けていくのみです。
 二つ目の哲学は、文芸批評家バフチンの『小説の言葉』のなかにある、〈テキストの意味決定権は読者にある〉という考え方です。授業にしても、校則にしても、私たち教員が提示したテキストです。その最終的な意味を決めるのは、受け手の生徒です。教員は受け手の応答を聞いて、それに対して教員の応答を返していかないと、意味は深まりません。だから授業においても、生徒会活動においても、生徒支援(生徒指導)においても「対話」を根底におかなければいけないのです。

 そんなことを職員会で考えました。
 来週の月曜日は、さらに一日、職員研修会です。まずは教員集団がしっかり学び、対話し合う。そこから私たちは始めます。