「枝分かれするようなイメージをいつも想起する」

蘇南高等学校長

2021年04月27日 17:09

 2年生の教室の廊下の壁に、何やら何枚もの模造紙が貼り出されました。見てみると、昨年度の冬の探究学習で学んだ、「枝分かれするようなキャリアデザイン」の成果でした。

 本校では、次のような発想でキャリア教育を進めています。

①「どんな職業につきたいのか」を早めに決めたほうがよいという発想は、つねに正しいわけではない。人生の夢や目標は単一ではないし、不変でもない。
➁「枝分かれするようなキャリアデザイン」をもったほうがよい。それは「大きな夢」(生きる方針)と「具体的な夢」から構成される。たとえば、「世界とつながる・世界の文化を楽しむ」という「大きな夢」があって、それを実現するために、研究者・アナウンサー・映画評論家・高校教員・作家などの「具体的な夢」がある。つまり、「大きな夢」を持っていると、「具体的な夢」が豊かになっていく。


 廊下に貼りだされた模造紙は、生徒たちが一つの「大きな夢」からどれくらいの「具体的な夢」が広がっているのかを、ブレーンストーミングによって書き出したものなのでした。
 「いのちを支える」「世界とつながる」といった「大きな夢」から、実にたくさんの職業・生き方が生み出されてくるのが、ありありとわかります。大切なのは、「大きな夢」を心に持つことであり、それを堅持していけば、多様な自分の生き方を常にイメージすることができるでしょう。

 2年生はこれから「具体的な夢」を掘り下げて調べていくことになります。体系的なカリキュラムを構築することによって、以前に学んだことの積み上げの上に、今回の学びがあるということがわかります。
 1・2・3年生の「探究的な学び」が、先生たちの努力によって、深く連関してきているのです。