「第一志望の大学に合格することの意味を考える」

蘇南高等学校長

2022年09月06日 20:53

 今日の放課後は、大学入学共通テストの出願説明会を行いました。
 共通テストを受験する生徒たちが大講義室に集まり、私からの校長講話を聞いたあとで、具体的な出願手続きの打ち合わせをしたのです。
 この説明会の場に立つと、いよいよ3年生の進学受験のシーズンが幕をあけると実感し、気持ちが一段と引き締まります。

 私からは受験生たちに二つのアドバイスをしました。

 その1。高校までは、君たちが何かの失敗をしても、誰かがカバーをしてくれる。けれども高校から先の世界は、ミスをしたら自分で責任をとらねばならない。大学では授業の登録の期限に遅れるとか、卒業論文の提出に遅れるとか、言い訳が一切通じない。だから大学入試の出願については、ミスのないように十分気を付けてほしい。

 その2。君たちが第一志望の大学に合格することは、人生の「目標」ではない。蘇南高校で君たちが考えてきた「目標」は、もっと大きなことだ。すなわち「人のいのちを支える」とか「人のくらしを豊かにする」とかの人生のスタンスのことだ。
 それに対して第一志望の大学に合格することは目標にいたるための「手段」にすぎない。「手段」はつねに複数のものがあるはずである。だから第一志望の大学に行けなくても、人生はいくらでも輝く。「目標」達成のために、志望を変えることもありうる。
 君たちには第一志望を目指して猛烈に頑張ってほしいが、いつも心の片隅に「目標」と「手段」は違うということを心にとどめておいてほしい。

 このようなことを3年生に語りかけました。

 実は、今年度の私は二つの大学で、ゲスト講師として講義を担当しています。いつか大学で蘇南高校生と再会できたらどんなに幸せだろうかと想像しています。