「コロナ禍をのりこえてクラスマッチを実現する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月28日15:49
 新緑が美しい世界の中で春季クラスマッチをおこない、ゴールデンウィーク前の楽しい一日を過ごしました。
 体育委員会の皆さんは、とても工夫したクスマッチを企画しました。感染予防のためにボールなどの共有物のない運動会レクリエーション形式にすること。2・3年生は学年の枠をこえて親しくなるために、月組・花組・星組・雪組にタテ割編成をすること。1年生はクラスの親睦を深めるためにクラス単位の出場とすること…などなどです。
 天気に恵まれ、和やかにスポーツを楽しむ生徒たちの笑顔が、輝いていました。

 閉会式で体育委員長の松瀬さんが、「ようやく晴れてグラウンドでクラスマッチができました」と感慨を語ってくれました。これまでクラスマッチのときはいつも雨だったのです。「コロナ禍であっても行事を減らさないという方針をとってくださり、校長先生、ありがとうございました」とも。――クラスマッチができたのは生徒の皆さんの力なのに、私にまで温かなことばをもらって感激でした。

 しめくくりの「校長先生のことば」では、こんなことを話しました。
 「皆さんに提案があります。秋季クラスマッチは、おもいきり過酷な『登山クラスマッチ』にしてみませんか。上の原コースから南木曽岳の山頂に登って蘭(あららぎ)コースに下り、本校に戻ってくる。早い人ならば7時間、遅い人は10時間もあれば完歩出来る。平均タイムを競います。楽しいよ。」
 初めて校長挨拶でブーイングが巻き起こりました。(楽しいと思うんだけどな。)
  


「鳥のまなざしで自分たちの学校をみる」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月27日14:50
 同窓会副会長の古根さんからとても面白い写真をいただきました。
 南木曽岳の中腹からドローンで撮影した蘇南高校と木曽川の風景の写真です。

 この写真を見ると、いくつもの再発見があります。大正時代に電力王・福澤桃介(福澤諭吉の娘婿)が建設を命じた「桃介橋」(重要文化財)は、木曽川の最も広くなっているところに、さらに斜めに架けられており、壮大なスケールの木造吊り橋だということがわかります。長大な橋を建設したのは、福澤桃介自身の意志によるものだと伝えられています。
 そして渓谷に立地する南木曽町のなかで、蘇南高校が、格段に広く日当たりのよい土地を提供されて創設されたこともわかります。丘の下の南木曽中学校と比較しても、本校のスケールの大きさは明らかです。

 古根さんからいただいた写真により、桃介橋と蘇南高校が一望できる「鳥のまなざし」を体験することができました。
 校長室には各時代の蘇南高校の写真(ヘリコプターからの撮影)が並べられています。そこにこの1枚も加わりました。
  


「春日和のお茶会を満喫する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月26日18:54
 昨日の放課後、茶道部の皆さんが「春日和のお茶会」を催してくれました。
 新学期がスタートしたこの時期に、「先生への日頃の感謝を込めてお茶会を開きたいと思います」という招待状をいただき、私も心をときめかせながら、参加しました。

 会場となった休養室には、ヒメシャガと山吹の花が美しく活けられ、さわやかな春の風が吹き込んでいました。日頃、茶道をご指導いただいている小島先生のもと、生徒たちが頑張ってお茶会を進めていきます。

 静けさのなか、柄杓を茶釜に置く音、お湯が茶碗に注がれる音、茶筅をまわす音、沸騰する湯が水を足すことによって止まる瞬間など、ひとつひとつの音の変化が大自然のなかに響くかのように、心にしみてきます。お茶会とは、何と心が洗われるひとときなのでしょうか。
 もちろん生徒たちの動作の美しさが茶室の空気を澄み渡らせています。

 感動とともに、おいしいお菓子とお茶をいただいたのでした。
 茶道部の皆さん、小島先生、本当にありがとうございました。(また行きたいな。)

  


「あたりまえのことがいかに尊いかを知っている君たちだからこそ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月25日17:27
 先週の金曜日、インターハイ予選の壮行会を体育館で行いました。ゴールデンウィークが明けると、いよいよ高体連の中信地区大会が始まるのです。
 拍手のなか、選手たちが入場し、それぞれの部の代表が意気込みを発表してくれました。そして生徒会長が激励のことばを語りかけ、音楽の原先生の独唱で校歌、そして全校生徒でのエールが続きました。

 ある生徒が意気込み発表のなかでこんなことを話しました。
「高校に入ったときからコロナのなかの部活動で、あたりまえのことがなかなかできない日々を送ってきました。それだけに、私たちはあたりまえのことがいかに尊いかを知っています。だから感謝の気持ちを忘れず、精一杯頑張ってきます。」

 今を生きる高校生の心を率直に表現したことばに、私は感動しました。
 大会に向かう生徒たちの具体的な目標はそれぞれ違いますが、その目標がきっとかなうと思っています。

 君たちだからこそ、きっとうまくいく!

  


「欠けたリンゴのどこに注目しますか?」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月23日20:29
 今日は午前中に保護者向けの授業公開、午後にPTA行事を行いました。木曽圏域がコロナの県独自警戒レベル1のままであり、予定どおりに進めることが出来ました。
 私も4月に新しく赴任した先生方を中心に授業参観をしてみました。先生方が一生懸命授業を組み立てている以上に、生徒の皆さんが熱心に学んでいる姿がとても印象的でした。

 午後はPTA講演会を企画しました。講師をお願いしたのは、上松で「コーチングオフィスじぶんまる〇」を主宰しておられる田上節子さんです。「思春期の子にも今日から使える言葉かけのコツ」というテーマで講演をしていただきました。
 つい小言になってしまいがちな子どもへの声がけを、子どものいいところに着目して言い換えてみる試みです。これはとても大切なことであると同時に、とても難しいことです。そして何とかして実現したいことでもあります。田上さんの明るく丁寧な語り口にひきこまれた1時間となりました。

 我が身を振り返ってみると、自分の子どもに対して「早くやりなさい」「本当にやっているのか」という言葉を繰り返したように思います。まさに小言ですよね。「自己管理できるほうだから、きっとできるよね」などと言えばよかったと反省することしきりです。
 保護者の一人から「部屋をきれいにしなさい」の言い換えはどうなりますかという質問がありました。これは私が担任していた頃、「~を向上させるために部屋をきれいにすると気持ちが引き締まるよ」と言うと効果的でした。

 田上さんの講演の中に、「一部が欠けたリンゴを見た時に、欠けた部分に真っ先に注目してしまいがちなのですが、おいしそうなところがたくさん残っているところに注目したいですね」という問いかけがありました。とても大切な問いかけだと思いました。
 田上さん、素敵なご講演をしていただき、ありがとうございました。
  


「茶道の先生から一期一会を学ぶ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月22日19:54
 今年度の本校の部活動外部指導者の3人めは、茶道の小島先生です。初心者の生徒も、優しく丁寧に教えてくださる先生のもとで、楽しく茶道を学んでいるのです。茶道の楽しさを伝えたいという小島先生の思いに支えられている茶道部です。
 本校の茶道部は部員が減って廃部の危機に陥ったこともありましたが、今は大勢の部員が活発に練習をしています。
 コロナ予防のために延期していた初釜も、ようやく来週の月曜日に実施することになりました。生徒たちはとても楽しみにしています。

 茶聖とたたえられた千利休の有名なことばが、「一期一会」です。小さな出会いは、実はかけがえのない出会いでもあります。
 生徒たちは、お茶を静かな心で楽しみながら、今日ここに生きていることの幸せを共有してくれることでしょう。


  


「教頭先生から見た生徒総会」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月21日18:30
(今日のブログは杉山教頭先生に書いてもらいました。私の大切な「相棒」の初登場です。)
 
 今年度の第1回生徒総会が行われました。普段、教頭は、職員室で孤独に留守番をすることが多いのですが、今日は教務主任に留守番をしてもらい、生徒総会に参加することができました。
 あらためて生徒総会の生徒の皆さんの姿を見て、執行部が全校に向かって語りかけるように発表していたことが印象的でした。とても堂々としているように見えました。

 生徒会は、昨年の10月に世代交代をしており、彼女/彼らは2月に初めての生徒総会を企画しています。その時はコロナ予防のために、オンライン生徒総会でした。
 今回、久しぶりの対面生徒総会になり、その分、伝えたい気持ちが前に出たのかもしれません。
 特に蘇峡祭実行委員長の発言の中での、「今年の蘇峡祭では、模擬店の代わりに地域物産展をやりたい」という言葉が印象的でした。今年こそ地域との交流をやりたい、そして従来の模擬店はコロナを考えれば難しいので何とか代替企画を実現したい、という生徒の思いの中から出た言葉だからこそ、重みのあるものになっているのだと思いました。

  


「たとえ明日世界が終わりになっても、私は木を植える」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月20日19:03
 今日は3年生が朝のホームルームの時間を使って、植樹式を行いました。
 昨年度、前庭の鬱蒼とした林が松枯れで危険な状態になっていたので、県教委に頼んで予算をもらい、伐採しました。あわせて地元の田中木材店さんが、ボランティアで雑木を倒してくださいました。1学年の保護者の皆さんも環境整備作業に汗を流してくださいました。すると前庭にあったミツバツツジだけが残りました。

 このツツジを増やしたら、素晴らしい風景になるかもしれない。この春の卒業生が記念品として20本をツツジの苗を寄付してくれました。南木曽町さんがこの話を聞いて30本の苗をさらにくださいました。
 かくして合計50本の苗を3年生が植樹したのです。

 生徒会長の上野さんが「天白公園に並ぶような観光名所になるといいと思います」と挨拶をしました。
 私は、こう生徒に語りかけました。
「昔、宗教改革を行ったルターが『たとえ明日世界が終わりになっても、私はリンゴの木を植える』と言ったそうです。私たちは未来の人々の幸せを信じて、今日、木を植えましょう。」

 何年も経った後に、このミツバツツジの風景を見て、誰かが幸せな思いになってほしいと、私は祈る思いで生徒の植樹を見守ったのでした。
  


「ひょんな出会いが人生の大切なものをもたらす」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月19日18:37
 今日は、バドミントン部の外部コーチをお願いしている三石さんと年度初めの打ち合わせをしました。インターハイ出場を目標に掲げて毎日練習に励んでいるバドミントン部の生徒たちは、南木曽町の社会体育でコーチの皆様に指導をしていただいています。
 本校の部活動としては、4名の顧問が指導をし、さらに大会出場の時に三石コーチに支えていただきます。

 三石コーチは、本校OG。高校時代にインターハイの経験があります。
 バドミントンを始めたのは、小学校時代。社会体育のチームで人数が足りなくて助っ人を頼まれ、いきなり全国大会に行ったのだそうです。その後、ずっとバドミントンの競技を続けているとのこと。ひょんな出会いが、人生の大切なものをもたらしてくれるのだと思います。そんな出会いの物語を三石コーチから伺うことができました。

 インターハイ予選の地区大会は、ゴールデンウィーク明けです。コロナの感染拡大が心配される時期でもあり、生徒が無事に出場できることと、生徒が勝ち進むことの両方を切に祈る日々なのです。
  


「たくさんの校長会に参加して勉強する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年04月18日19:55
 今日は、商業高等学校長会のために長野商業高校に出張しました。
 蘇南高校は総合学科なので、校長が出席しなければならない校長会の種類がとても多く、県・中信・総合学科・普通・工業・商業のそれぞれの校長会に行くことになります。過半数の会議は長野市なので、朝、南木曽町を出て約2時間をかけて塩尻インターチェンジに着き、そこから高速道路に乗って目的地へ…往復7時間(!)運転する出張です。
 なるべくオンライン参加をお願いしているのですが、初顔合わせの時くらいは赴くのが礼儀だろうと思って、4月は出張を重ねています。(さすがにくたびれてきましたが…。)

 様々な種類の校長会に参加してみると、当然ながら勉強になることがたくさんあります。
 特に商業・工業といった専門学科の校長会は、たくさんの検定・コンテストの運営に関わりますし、実社会につながる学びを創造するために様々な仕掛けを考案しています。
 たとえば商業校長会が運営するものとしては、県下各地の高校生が集まって勉強会を重ね、最終的には販売実践を行う「デパートサミット」が、プロジェクト学習の先駆的な存在です。松本の井上デパートさんが販売実践の場を提供してくださり、高校生の合同販売「デパートゆにっと」を行って大勢のお客さんに来ていただいています。
 わが蘇南高校も昨年度から商品開発を地域の皆様と行ってきているので、今年度は「デパートゆにっと」に参加できるようになるといいなあと思うのです。