「COVID-19対策のワクチン接種」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月31日19:27
 南木曽町は、保小中高の職員に対して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を進めてくださり、蘇南高校の職員も三つのグループにわかれて接種を進めてきました。
 今日は、第三グループの2回目の接種が行われ、私が最後に注射を受けて、職員全体の接種が完了しました。南木曽町の温かなご配慮に、心より御礼を申し上げます。
 もちろん接種を受けることは、職員一人ひとりの自由意思によるものです。

 駐車場で、そして受付や接種会場で、働いている役場の職員の皆さんや医療関係の皆さんから「先生、こんにちは」「先生、お大事にしてください」と温かな声をかけていただいて、胸がいっぱいになります。

 やはり2回目の接種では、発熱をする職員が多くなりました。でも集団免疫を獲得してコロナに打ち克つためには、ワクチン接種しかないと考え、私も注射を受けました。今のところ、副反応は何もありません。
 大都市を中心にデルタ株が猛威をふるいだしています。未知の局面に立っているという認識で臨むべきだという医療関係者の発言を胸に刻み、COVID-19との戦いを続けていく覚悟です。
 
  


「生徒のように登校してくるセキレイ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月30日12:14
 今日は、2年生が中部大学と電波学園の専門学校に研修に行くアカデミック・インターンシップを実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の「第5波」の影響により愛知県で感染が急拡大していることから、涙をのんで中止としました。生徒の安全が最優先です。
 
 というわけで、まったく別の話題のレポートです。

 蘇南高校は、昇降口を「生活圏」にしているセキレイがいます。
 大体、セキレイは住宅の近くに現れるものなのですが、このセキレイは特に生徒や教員に対する警戒感がありません。私の目の前で、跳びはねて昇降口に入ってきて、そのまま進んで片隅のクモの巣などを突きます。いい加減、捕食行動をとると、また、跳びはねながら「下校」していきます。

 どうかすると飛び立つ方向を間違えて廊下に入り込みます。
 一瞬、バタバタ窓ガラスに衝突するので、校用技師さんが捕まえます。するとまるで「よろしくね」と言わんばかりに、手のひらで静かにしています。手乗りセキレイのよう。
 外に出ると、何事もなかったように飛んでいきます。

 セキレイも蘇南高校の「ファミリー」です。
 
  


「在校生が案内する形で体験入学を実施する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月29日12:12
 今日は、中学3年生対象の体験入学の日でした。生徒・保護者・引率の先生、あわせて約210名の皆さんにお越しいただきました。

 コロナ対策として、全体会は各教室にzoom配信の形で行ったのですが、今回は、「在校生が中学生に蘇南高校を紹介する」という新しいカタチにこだわりました。
 全体会の進行は、生徒会長の澤渡さんが進めます。校長からはキャリアデザインについての考え方のメッセージのみとし、総合学科の3つの系列の説明、生徒会や部活動の説明などは、すべて生徒が、自分の高校生活の実体験を踏まえて後輩へのメッセージを話すというカタチで行いました。

 体験授業は2種類。一つは国語・数学・英語について、発展講座と基礎講座のどちらかを体験してもらい、もう一つは総合学科の多彩な授業について、商業・工業・家庭・体育・地歴公民・理科・芸術などを体験してもらいました。
 最後は、20人の生徒が、中学生に学校の施設や部活動の様子を案内してまわる、校内ツアーです。ここでも自分の高校生活の楽しさなどを交錯させて案内していました。

 生徒会長の澤渡さんが、生徒会のスローガン「ファミリー」は自分たちが思いを込めて追求している理想なのだと、中学生に語りかけました。
 教員がこの言葉に付け加えるものは殆どありません。
 在校生のパワーの大きさに嬉しい思いを重ねた一日でした。

 そして来校してくれた中学生の皆さんのまっすぐな瞳を見て、この生徒たちと入学式で再会できたらどんなに幸せだろうと、思ったのでした。

 
  


「学校名が刻まれた門柱を磨いてみる」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月28日17:06
 明日は中学生の体験入学です。全校6クラスの小さな高校に、200名を超える中学生・保護者の皆さんがやってきます。
 様々な歓迎の用意をしているのですが、おそらく来校された方々は気づかないであろう、ひとつの準備に、何年も放置されて苔に覆われている「石門柱」を磨いて、きれいな状態にしてみました。

 南木曽のような多雨地帯では、どうしても石が苔むしてしまいます。それはそれでひとつの風情なのですが、でも門柱はやっぱり明るい雰囲気のほうがよいと考え、校用技師さんに高圧洗浄機を導入して磨いてもらいました。
 予想どおり、明るい清潔感のある石がよみがえり、この門柱から昇降口に続く「尚学の道」が一層きれいに見えるようになりました。

 通学路の途中の伊勢小屋沢を渡る橋の所にある石門柱も洗浄しました。こちらは赤みがかった石の姿が浮かび上がり、びっくり。
 二つの門柱に「長野県蘇南高等学校」の銘板が輝くようになりました。

 学校を愛することは、細部を手入れすることからカタチにしていきたいと思っています。
  


「夏休み前の全校集会でオリンピックについて考える」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月27日20:27
 今日が夏休み前の最後の授業日でした。
 本校は二学期制なので、しめくくりの校長講話の集会を「終業式」とは言わず、「全校集会」と呼んでいます。私の講話の後、英語検定・漢字検定の合格者たちへの表彰式、そしてインターハイに出場するバドミントン部の皆さんの壮行会を行いました。

 私の講話は、「東京オリンピックについて考える」としました。このコロナ禍の中で開催することの是非は、まさにどのような観点に立つかによって真っ向から対立する結論になるものであり、このような唯一解のない課題こそ、お互いの意見を対話させていく必要があるだろうというのが、最初の話題でした。

 そして一番のメインのテーマは、オリンピック憲章にうたわれた、差別されずにスポーツに取り組む権利についてです。
 国による差別、人種による差別、民族による差別がなぜ生まれるのかを、さまざまな角度から分析をしました。「人種とは肌の色による分類、民族とは言語・文化による分類」という世間で言われていることが、いかに間違っているかを、アメリカの「血の一滴原則」やナチスドイツのニュルンベルク法などを素材に問題提起してみたのです。

 人間の分類などと言うものは、恣意的な線引きです。世界史を見るといかに人間が他者を理不尽な線引きによって「生きるに値しない存在」と決めつけてきたかがよくわかります。大切なのは、個人として尊重され、その個人が出発点となって共同性を創造していくことです。

 自分が幸せになり、他者を幸せにするために、私たちは学ぶのです。平和な世界をどのようにイメージしていくのかを、これからも折にふれて問い続けていきたいと考えています。

  


「保護者懇談を全クラスで進める」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月26日15:39
 本校は、明日が夏休み前の最後の授業日です。先週から保護者懇談週間になっており、授業は午前中のみとし、午後は生徒全員について保護者懇談を進めています。
 どの学年も、これからのキャリアデザインをどのように考えていくかについて、生徒・保護者・担任の三者が対話をする大切な機会になっています。

 私が先生方にお願いしているのは、「挟み撃ち」のような事態になることはやめようということです。担任と保護者が左右両方から、「もっとちゃんとしなくちゃダメじゃない」と攻め立てるような構図は、生徒にとっては、いたたまれない懇談になってしまいます。
 多角的に物事が検討できるような機会にしたいと思うのです。

 また、午後には各学年の補習も並行して行われています。1・2年生は基礎学力の育成を主な目的にした補習であり、3年生は大学進学のための補習です。
 ①未習範囲の学習、➁これまでの復習、③本番試験を意識した演習…の3つを計画的に進めるよう、今年度から5教科それぞれに体系的な指導計画をたてています。
 
  


「何本もの過去と未来の線が交錯する今を考える」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月21日17:17
 1年生のキャリア学習のゲストは、2年前に南木曽町でヤギ牧場(マウカラニ・ゴート・ファーム)をオープンさせた三輪亜希子さんの人生の軌跡を語っていただきました。
 またひとり、魅力的な地域の方を本校にお迎えできたと、感激しながら講演を聞きました。

 何回もアメリカに留学を重ねてきたこと、様々なキャリアを重ね30代でハワイ大学の畜産学科に進学したこと、国立大学の職員になったがさらに転職してヤギ牧場の夢を実現したこと…三輪さんの語る「できない理由を考えるのではなく、どうやったらできるようになるのかを考える」人生は、まさに自分もそうありたいと思うような輝きをもっています。

 三輪さんが最初に示したスライドに、何本もの過去から未来につながる線の交点に「今の自分」がいるというキャリア・イメージも、私にはとても新鮮でした。

 本当に偶然なのですが、1年生が連続して聞いた3人のゲスト――校長(私)、野村達雄さん(ポケモンGOの開発者)、三輪亜希子さん――が、「できないと諦めるのではなく、どうやったらできるようになるのかを考えていきたいね」という“同じ”メッセージを贈ったのでした。
  


「第一回学校評議員会を行い多くのアドバイスをいただく」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月20日18:53
 今日は、第一回学校評議員会を行いました。
 本校の評議員会は、校長挨拶の後、学校からの報告と評議員の皆さんとの対話を、二つのテーマにしぼって行っています。

 今回は、まずひとつめのテーマが、進学希望者の「第一希望」を叶えるための支援策(平日補習や休日の蘇南アカデミーの強化策=学習指導の体系化)についてでした。塾や予備校のない中山間地であるために、学校の授業、補習と生徒の自発的な学習が組み合わされて初めて受験に立ち向かう力を養えるのだと考えています。

 ふたつめのテーマは、生徒の自主的活動(生徒会・部活動)の充実についてでした。3名の生徒たち(3年澤渡さん・前原さん、2年上野さん)が、生徒会でどのような成果があったと考えているか、これからの生徒会活動にどのような改善点があると考えているかを、プレゼンテーションしました。
 生徒たちが、これからの生徒会は、今以上に地域の中に出ていき活動をしたいと思いを述べ、評議員の皆様からはとてもたくさんのアドバイスをいただいたのでした。

 あらためて生徒たちのプレゼンテーションを聞いて私が感心したのは、蘇峡祭などを通して、自分のどのような力が伸びたのかを、生徒が力強く説明できるようになっていることです。その力とは、「挑戦する力」だと生徒は語りました。
 小さい高校であることを逆手にとって、自分たちにしかできないことをうまくやっていると思うと、ある評議員の方から指摘され、とても嬉しい思いがしたのでした。

  


「ルイス先生を送る」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月19日21:08
 2年間にわたって本校のALTをつとめてくださった、セギル・ルイス・フェルソット先生が、アメリカに帰ることになりました。
 今日が最後の授業となり、帰りのSHRで離任式を行いました。大講義室に3年生が集まり、ルイス先生の惜別のスピーチを聞きました。その様子をZoomで配信して1・2年生は教室からの参加です。

 ルイス先生は、「英語を学ぶのは、多くの他者とのコミュニケーションを楽しむためにあるという根本を忘れないでいてほしい」と、生徒に語りかけました。

 ルイス先生の授業では、とにかく生徒たちが大きな声でスピーキングをしてきました。まるで空飛ぶじゅうたんに生徒を乗せているかのように、ルイス先生の授業は特に生徒のテンションが高くなるのです。そんな魅力的なルイス先生が玄関から去るときには、拍手をする生徒たちの列ができていました。
 ルイス先生、いつかきっと、蘇南高校に遊びにいらしてくださいね。本当にありがとうございました。
  


「開拓者として生きる」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年07月17日11:33
 梅雨明けの快晴の空のもと、休日返上で1年生・保護者・教員による「環境整備作業」をおこないました。

 生徒は廊下の壁のペンキ塗りをし、真っ白な空間をよみがえらせました。
 保護者の皆様は、ビーバーを何台も持ち込んでいただき、グラウンド周辺の斜面のやぶを徹底的に刈り込みました。おかげで清潔感のあるグラウンドがよみがえりました。本当にありがとうございました。

 68年前、五つの村の人々は、お金の拠出だけでなく、自ら汗を流して山の尾根を開拓して、本校を創立しました。ゆえに蘇南高校のスクール・アイデンティティは、「開拓者精神」です。
 創立時のスピリットを今に受け継ぐために、今日はみんなで汗を流して、学校を“創った”のです。