「蘇南高校の生徒たちに語りかけたことばがロシア語になる」

 今日は、校内集中補習の生徒たちにおやつの差し入れをし、地域のお世話になった方々にお礼のあいさつにまわりました。
 桜はさらに満開になり、ミツバツツジや花桃まで一斉に咲き始めました。まさに百花繚乱。

 そのようななか、驚くべきお便りをいただきました。
 卒業式の式辞「モスクワはどこにある?」で、南木曽町出身で戦前のソ連に渡ってスターリンの粛清を奇跡的に生き延びた勝野金政さんが、生涯ヒューマニズムとインターナショナリズムを理想に掲げ続けたことと、その理想が、今の高校生の心に中にも継承されていることを、私は語りかけました。
 その式辞を、ある方がロシア語に翻訳してくださり、ロシアに送ってくださったというのです。
 ロシアの社会状況を考え、今は、翻訳者と送り先ともに、ここでは具体的なお名前をあげることを控えさせていただきます。

 これは式辞では直接ふれていませんが、タイトルのモチーフは、私が好きなチェーホフ『三人姉妹』のセリフ――行きましょうよ! モスクワよりいいところ、この世のどこにもないわ!――に重ね合わせています。もちろん悲しみをおびた反語表現です。

 めぐりめぐって蘇南高校の生徒たちに語りかけたことばが、ロシアに届くとは!
 人と人のつながりの幸せを胸いっぱいに抱きしめています。
「蘇南高校の生徒たちに語りかけたことばがロシア語になる」