「再び動き始める、そして第一歩はこれ」

 今日は、「蘇南高校の保護者の皆様」への校長メッセージという形で書かせてください。

【岐阜県の非常事態宣言を受けて】
 4月10日からの長野県立高校の臨時休業に対して、私たち蘇南高校では、多面的で丁寧な生徒への支援策を考えていたわけですが、まさにその初日に岐阜県から非常事態宣言が出され、岐阜県から通学する生徒の皆さんが分散登校できないことになってしまいました。
 そこで本日、4月13日、この事態に対応した支援策をたてました。具体的には、教材については郵送することとし、その解説授業については、インターネットを使った映像配信とLINEや電話等による補充説明によって対応していきます。具体的な説明については、明日以降、各学年より情報発信をいたします。

【これからの蘇南高校の学びの土台】
 さて、今日、私から蘇南高校のすべての保護者の皆様に申し上げたいことがあります。
 私たちが、お子さんへの支援策として、第一に考えたいことは、「自分と他者の『いのち』を大切にすること」と「孤独に苦しむことを回避すること」です。この土台が基本となり、お子さんの日々の学びを構築していきたいと考えています。

【「見えない敵」との闘い方を「見える化」する】
 まず、「自分と他者の『いのち』を大切にすること」ですが、ウイルスという「見えない敵」との闘い方をできるだけ「見える化」することが大切だと考えました。「三密」の回避が政府からも強調されていますが、もし、体調の心配な家族が出た場合や、緊急事態宣言地域に関係した家族がいる場合(これらは十分起こりえます)の対処方法を「見える化」することが、私たちがウイルスとどう戦うべきかを教えてくれます。様々な解説のなかで、茅野市役所のホームページに掲載されている諏訪中央病院の玉井医師の解説が、詳しくわかりやすいので、紹介します。本校の対応もこれに学んでいきます。是非、目をとおしていただければ、幸いです。家族の「いのち」を守るために、ご覧ください。
https://www.city.chino.lg.jp/site/korona/corona-setsumei.html

【孤独におちいることの回避】
 もうひとつの「孤独に苦しむことを回避すること」ですが、お子さんに対しては、予定通り、全家庭への担任・副担任からの電話や、「気軽な電話窓口」の開設を行います。

【力を合わせて一緒に頑張りましょう】
 そして今日は、保護者の皆様に「一緒に頑張りましょう」という思いをこめて、私自身が最近とても感動した音楽を紹介いたします。曲を作ったのは、私の高校時代の同級生のヤジマハジメくんが現役で組んでいるバンド「やじばん」です。映像の仕事と音楽をこよなく愛するハジメくんは、いつも教育関係者とはまったく違う言葉を私にかけてきます。(高校とは、そのような雑多な友人と出会える、かけがえのない場所です。)
 昨日、目の前の壁をこえる方法を教員住宅で必死に考えている私に「これでも聴いて元気を出してくれ」と、ハジメくんは「ゴッド・パイル」という自作の曲をインターネットで送ってきてくれました。彼が、諏訪の御柱祭をイメージして創った曲なのですが、私には、未来がまったく見通せない状況に陥っていても、「我が子には幸せでいてほしい」と願う、保護者の皆様と私たち教員の「共通の思い」を歌った曲に思えてなりません。「森から里に下る樅の木」とは、「未来に歩んでいく子どもたちそのもの」であると私は受け止めました。
 そこでハジメくんの快諾を得て、曲「ゴッド・パイル」を「蘇南応援メッセージ」第1号として、ここに紹介させていただきます。
お聴きいただければ、うれしいです。


「The God’s Pile 〜ゴッド・パイル〜」

作詞:ヤジマハジメ
作曲:やじばん
編曲:やじばん

ああ、春の囁きが、森の果てに満ちる頃、
その子らの歌声が、冬の壁を打ち破る。
あの森の樅の木が、坂を下(くだ)り神となる。
その子らの歌声が、風と雲の色を変えて行く。

吹けよ、風。呼べよ、花。
降りつのるその思いが今、
荒くれた魂に、乗って 、この世に響く声となってゆく。

ああ神さまお願いだ。この子らをいつまでも笑わせてくれ。
ああ神さまお願いだ。この風をこの空を美しく永らえてくれ。

ああ、勝どきの歌声が、里の春を渡る時、
生けるものの喜びが、森を染めて花となる。
神の杭は森を出で、滔々と人の河を越ゆ。
生けるものの喜びが、歌の花と咲き、薫り、飛ぶ。

ゆくな、時。うつろうな、歌。  
降りつのるその思いが今、
やがて来る夏空に向かい急ぐように風と吹いてゆく。

ああ神さまお願いだ。この子らをいつまでも笑わせてくれ。
ああ神さまお願いだ。この風をこの空を美しく永らえてくれ。

ゆくな、時。うつろうな、歌。  
降りつのるその思いが今、
やがて来る夏空に向かい急ぐように風と吹いてゆく。

ああ神さまお願いだ。この子らをいつまでも笑わせてくれ。
ああ神さまお願いだ。この風をこの空を美しく永らえてくれ。

ああ、春の囁きが、
森の果てに満ちる頃、 
やがて来る夏空に向かい
急ぐように風と吹いてゆく・・・

https://www.youtube.com/watch?v=3jWoxqWCXwo
「再び動き始める、そして第一歩はこれ」