「令和2年度最後の日にホームページを刷新」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月31日16:45
 令和2年度の最後の日となりました。「仕事が終わらない…」と焦って6時45分にはデスクに向って働き始め、なんとか諸事に区切りをつけ、今日をもって離任する宮坂教頭先生を送り出すことができました。教頭という職務は学校の中で最も忙しく、縁の下の力持ちと言うよりも学校の礎石のような存在です。午後は宮坂さんの背中に「翼」が見えました。
 
 今日から蘇南高校のホームページがリニューアルされています。
 これまでの崩れかけた掲示板のようなホームページを何とかしたいとずっと思っていたのですが、本校OBの磯村和弘さん(妻籠在住)に手がけていただき、まったく新しい、機能的なホームページにモデルチェンジすることができました。
 在校生・保護者・地域の皆さんにアクセスしていただけるホームページにすべく、さらに内容を充実させていくつもりです。磯村さんには心より御礼を申し上げます。
 
 私は引き続き蘇南高校の校長を務めます。
 一歩先の未来を読める「開拓者」を育てるべく、そして自分自身が「開拓者」になれるよう、走り続けたいと思っています。
 一年間、本当にありがとうございました。
  


「別れは再会への第一歩」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月30日21:47
 ホームページをリニューアルするとか、指導要録の点検をするとか、初職員会・入学式の準備をするとか、やるべきことがあまりに多くて、猛烈に忙しい一日でした。Zoomの会議が2件。その前後に事務室の打ち合わせイスには校長室のドアが開くのを待っている先生方が並ぶ事態になり、なかには「1時間後にきてほしい」と一旦お帰りいただくことも。申し訳ないかぎりです。

 そのようななか、「今日が最後です」と何人かが挨拶に来てくれます。
 本校の職員は大体5~6年の在任期間で次の赴任地へ転勤していきます。初任の先生が多いことが一番の理由です。(初任の勤務校にはあまり長く在籍させないのが県の方針。)
 だからこそ、チームとしての学校づくりが大切になります。

 とはいえ、一人一人の先生には、その先生ならではのすばらしい個性があり、魅力がありますから、離任していなくなってしまったあとの淋しさは、つらいものがあります。チームを組んで絆が強くなればなるほど、別れはつらい。
 「いつかまた会いましょう。そして教育実践について語り合いましょう。」と再会を約束して先生方を送り出します。たんぽぽの種のように、蘇南高校の教育経験が、長野県のあちこちに飛んで行って、さらに素敵な教育実践をうみだしていくのでしょう。
 別れは再会の第一歩なのだと自分に言い聞かせています。
  


「満開の桜が新学期を待つ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月29日20:24
 ポカポカ陽気のなか、蘇南高校の桜も満開になりました。
 校舎の2階から見下ろすと、桜の波の向こうに聳え立つ南木曽岳の風景がとても美しい。玄関の下からは桜の零れ落ちそうな花びらの間に南木曽岳を仰ぎ見ることができます。

 この風景で入学式を迎えたかったというのが正直な思いです。
 あと一週間、どうか桜には入学式を待っていてほしい…そう願っています。
  


「桜の波と南木曽岳」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月26日15:32
 今日は、新入生オリエンテーションでした。入学予定者の皆さんは、必要な文書を出してから、学校生活の心得とか、学習の進め方についてレクチャーを受けました。

 晴れて気温が上がった今日は、桜の開花も一層すすみました。入学式の頃に満開であってほしいと思っていましたが、このままだと春休み中に散ってしまいかねません。
 前庭下の職員駐車場には桜と杉が混在していたのを、桜だけにすっきりさせ、桜の波の向こうに南木曽岳が見える、ビューポイントを作ってみました。南木曽岳に登ること、眺めることをこのうえなく愛する者のひとりとして、地域の皆さんにもこのビューポイントを楽しんでいただけたら、嬉しいです。
 ちなみにこのヒントになったのは、昨年のコロナ臨時休校の時に、1年生有志が作成した「ふるさとの春の移ろい」を撮影したビデオです。岐阜県中津川市の坂下中学校出身者がとらえたふるさとの一コマに、落合宿の桜と恵那山を組み合わせた美しい風景があったのです。同じように南木曽岳が見えるのは、うちの高校からの眺望だと思って、ビューポイントを考えました。だから、1年生の発想に学んだのです。偉大なるかな、わが生徒たち、です。

  


「地域の方々にも散策してもらえるキャンパスを目指す」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月25日16:29
 蘇南高校には「校門」がありません。地域に開かれた学校というモットーが、キャンパスにそのまま表現されています。
 校舎の前にある広大な前庭には、様々な樹木が、折々に美しい花や、瑞々しい葉を身にまといます。
 とはいえ、年月が経つと樹々が雑然と生い茂るだけの光景になることが避けられません。そこで春の気配を感じてから、前庭の整備を進めています。

①松枯れのために伐採され積まれていた丸太を撤去する。
➁庭の樹木のなかで衰えているものを伐採し、日差しの入る庭にする。「尚学の碑」などのモニュメントがきれいに見えるようにする。
③校舎の片隅に放置されている粗大ゴミをすべて片づける。
④桜並木と南木曽岳のビューポイントをつくる。

 今週、業者さんに入ってもらって伐採木の片付けなどをしました。樹木の伐採は、校用技師さんが汗を流しました。
 写真は、尚学の庭のすっきりした様子です。桜並木と南木曽岳の風景は、明日(天気予報では晴)にまわします。週末、地域の皆さんに散策してもらえれば嬉しいです。

  


「終業式・離任式を行い、令和2年度の学びのプログラムを終える」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月24日16:37
 青空に南木曽岳が凛々しくそびえたつ今日、令和2年度の終業式を行いました。

 私の講話では、「大きな物語」だけにとらわれるのではなく、「小さな物語」を出発点に考えていくことの大切さについて、最近読む(見る)ことができた3通の手紙を題材にして考えてみました。

 ひとつは大桑村の女性からいただいた、本校の生徒が駅でその方の重い荷物をもって階段を登ったことへのお礼の手紙です。小さな優しさには勇気がいる、その勇気をもっている蘇南高校生は立派だと、温かなエールをいただきました。
 ふたつめは卒業生がそっと置いていった、「先生ありがとうビデオレター」についてです。発案した生徒の小さな優しさを、学年の全員が横につないで、この手紙が届けられたのでした。
 みっつめの手紙は、東日本大震災10年にあたり、10年前の自分に被災者が手紙を書くというコンセプトで編まれた『永訣』(金菱清編、新曜社刊)の冒頭の手紙です。津波でお父様を亡くされた目黒紹さんが、自分の10年間の深い悲しみをこう表現しています。

――もし、あなたがお父さんに「地震が来る。津波が来るよ」と伝えられるなら、真剣に伝えてみてください。あなたのお父さんのことです。真剣に聞いてくれるはずです。もし、あなたが、もし私のことを信じることができなかったり、伝える勇気が出ないのならば、せめてこれだけは3月11日の朝、お父さんに伝えてください。
 「朝ごはんの目玉焼き、今までで一番おいしかったよ。行ってきます」。
 私はこの言葉が言えなかった。日常の中のたった一言、二言をわざわざ伝える必要がないと感じていました。でも、伝えられなかったことを今までずっと後悔しています。私のように後悔することがないように伝えたいこと、伝える必要がないなと思ったことでも全部伝えてみてください。

 悲しみを乗り越えて復興に向かう…という世の中でよく聞く「大きな物語」から零れ落ちる、いつまでも消えない悲しみの「小さな物語」に耳を傾けた時、私たちが人間として何を一番大切にしなければならないかが見えてくるような気がするのです。
 私たちが大切にしたいのは、「小さな物語」なのです。

 校長講話の後、各種検定に合格した生徒、部活動で上位大会に出場した生徒、ベネッセSTEAMフェスタに出場した生徒に拍手を贈り、そして今年度末で離任する12名の先生方の離任式を行いました。先生方もまた、それぞれの「小さな物語」をつむぐ新たな旅立ちです。

 放課後、南木曽岳をながめていた私に、一人の男子生徒がやってきて、「この間は補習にお菓子を差し入れしていただき、ありがとうございました」と声をかけてくれました。
 日常の中の「たった一言」を大切にする「小さな物語」を守っていこうと、決意をあらたにしたのでした。
  


「僕ららしく明日を迎えに さあ いざいこう」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月23日13:36
 GReeeeNが歌う「贈る言葉」が流れると、スケッチブックに書かれた歌詞の言葉をもった生徒たちが次々と踊りだします。

「これからみんなへ贈る言葉/沢山の『涙』『笑顔』を誇れよ/僕ららしく明日を迎えに さあ いざいこう」

 卒業生全員から教職員への「ありがとうビデオメッセージ」が届いて、今日の最後の職員会で鑑賞したのです。3年生全員が登場するこのビデオを、彼らは私たちの知らないところで作りあげていたということが、後からわかりました。(担任たちも知らなかったサプライズです。)
 大学受験のために卒業式を別日程で行った仲間のために、彼らはビデオメッセージを作成していました。それを「第二次卒業式」で流そうとした教員が、「もう一つ別のファイルがある」ことに気づいたのです。それが教職員への「ありがとうビデオメッセージ」でした。
 彼らはそれを、そっと置いて卒業していったのです。

 次々と映し出される、歌詞の一部をもって踊る3年生たちの笑顔。
 最後の歌詞はこうでした。

「今日までの全部全部を込めた ありがとう/本当は寂しいけど、、また遭う その日まで」

 この言葉とともに、今年度の職員会が終わりました。
 蘇南高校で教員生活を送れていることの幸せを、かみしめています。
  


「ベネッセSTEAMフェスタを全力疾走する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月21日15:49
 本日、「ベネッセSTEAMフェスタ2021」がオンラインで開かれ、全国の11チームが探究の成果を発表しました。

 本校2年生の「がくたとめい」チームも出場し、「南木曽ねこ認知度100%計画」と題したプレゼンテーションを行いました。
 「南木曽ねこ」というこの地域の伝統的な半纏(前身ごろのない独特な形)のすぐれた特性・魅力を調べ、それを持続可能な生活文化にするための実践計画を考えたという内容のプレゼンです。本校のチームの発表は、YouTubeによってライブ配信され、160名の方々に聞いていただき、たくさんのコメントをいただきました。
 …複数アイデアをくみあわせているところがよい。色々なところに探究をつなげているところがよい。商品の新規開発だけでなくリサイクルという現代的観点をもっているところがよい。丁寧な生活・居心地の良い生活という視点をもっているのがよい。…温かいコメントの数々に心より御礼を申し上げます。

 本校の発表に「推しコメント」を聖和学院中学・高校の栢本先生からいただきました。「身近なこと(半径5メートルの幸せ)から出発して、SDGsのような世界の観点にもつなげていく思考がいいですね」と、温かなコメントをいただきました。生徒たちにとって大きな励みになりました。

 この南木曽町から蘇南高校の生徒たちが、どんどん世界に向かって探究の成果を発表したり、行動したりしていくことができればいいと私は思っています。「がくたとめい」の二人は、「やってみます!」と一歩を踏み出したファーストペンギンです。
 ご覧いただいた皆様、応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。
  


「後期選抜合格発表、卒業式の番組化、ベネッセSTEAMフェスタ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月19日17:07
(1)今日は、後期選抜の入学予定者発表でした。学力検査の点数開示を求める皆さんが入ってくる昇降口には、この日のために校用技師さんが満開の花びらをつけたサクラを飾りました。
 ようこそ、蘇南高校へ! 合格、本当におめでとうございます! 
 早く入学式が来ないか、私は今からワクワクしています。

(2)昨日から来週の前半まで、木曽広域ケーブルテレビの番組「ウィークリーきそ」(19時から23時までの奇数時刻)にて蘇南高校の卒業式が15分ほどに編集されて放映されています。私は昨晩視聴して、卒業式の感動をあらためて追体験しました。
 木曽広域ケーブルテレビさんが、とても丁寧に編集してくださっていて(つまりハイライトシーンを見事につないでいる)、それがまた感動を深めてくれます。私の式辞で中村哲さんの文章を朗読した場面には字幕までつけてくださいました。感謝感謝です。
 木曽地域の方は是非、ご覧ください。

(3)「ベネッセSTEAMフェスタ2021」に出場する「がくたとめい」チームは、今週、青春のエネルギーを完全燃焼させてプレゼンの手直しをしています。ほぼ新稿です。
 昨日、遅くまで教室でパソコンに向かっているので、ストーブを貸してあげました。今朝、校長室のテーブルの上に、「ありがとうございました」というメッセージのカードが置いてあって、それに続けて「おかげで心もあたたかくなりました」と言葉が添えられていました。このようなさりげない「プラスのことば」を言える高校生って、素敵ですね。
 21日(日)14:15から約10分間が本校の出番で、YouTubeの同時ライブ配信があります。よろしければ、ご覧ください。
https://steamfesta.benesse.co.jp/s/pc/top.html
  


「100を0にしない学校づくりを続ける」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年03月18日17:29
 今日は、英会話学校「A to Z」さんと連携して、「ワンデイ・イングリッシュ・セミナー」を朝から夕方までたっぷり時間をかけておこないました。2年の希望者はこの時期にカナダ語学研修旅行を計画していたのですが、COVID-19のために残念ながら中止せざるをえなくなり、「100を0にしない」ために今回のセミナーを実施したのです。
 今回のセミナー開催にあたっては、南木曽町より多くのご支援をいただきました。心より御礼を申し上げます。

 1年生でも希望者は参加できることとし、3人の講師のもと、英語を使ってコミュニケーションをする楽しさを満喫したのでした。
 大切なのは伝えようと「意志する」こと。そのための心理的なバリアを捨てること。これを力説する講師の熱量が伝染して、教室には生徒たちの発する英語と笑い声がとびかいました。

 「めっちゃ、楽しかったです」と帰りがけに生徒が私に話しかけてくれました。
 カナダに行けなかったことは残念ですが、生徒たちの未来にはいくらでも海外に行く機会があります。今回の楽しい学びが卒業後の海外体験につながればいいと願っています。

 COVID-19の日常が1年以上も続いているので、次第に「できない」ことへの悔しさが薄れてしまいがちです。そもそも私たちはどのような学校にしたいのか、その原点を忘れずに、これからも「100を0にしない」生き方を堅持していきたいと思っています。