「今、読みたい、気持ちが明るくなる本」

 今日は生徒のみなさんへのメッセージ、「自由な時間をいかすために その2」です。こういうときこそ、「本を読もう」と呼びかけます。本を読むことによって、自分の心に力が与えられることがあります。それは自分以外の「誰かの人生」を生きることができるからなのだと思います。せまい自分に風を吹き込むのです。
 というわけで、今日の校長ブログは、本校司書の小林先生に書いてもらいました。


 みなさん、こんにちは。
 図書館の司書の小林です。

 みなさん、お元気に過ごしていますか。
 この大変な状況の中、気分が暗くなってしまうこともあるかもしれません。
 今回は、そんなときにぜひ読んでほしい、読んだら元気が出るんじゃないかなという本を紹介します。

1冊目は、住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』です。
『君の膵臓をたべたい』の作者による、高校が舞台の物語。5人の主人公たちにはそれぞれ特殊能力という「かくしごと」があります。
個人的には、『ORANGE』や『アオハライド』のような、青春マンガを読んでいるような読み心地でした。楽しんで、キュンとしながら読めると思うし、ちょっとした謎もあって読んだあと読み返したくなるようなトリックもある作品です。

2冊目は、柚木麻子『ランチのアッコちゃん』です。
これは、本当に読むと元気が出ます。上司のアッコ女史と一週間ランチを交換することになった主人公。なんだか元気のない毎日だったのが、たったそれだけで何かが変わってくる。食べることって大切なんだなとあらためて感じる、元気がもらえるビタミン小説です。

3冊目は、佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』です。
深夜ラジオのリスナーたちの交流を描いた物語。
ある出来事をきっかけに学校を休学中の主人公。心のよりどころは深夜ラジオでしたが、同じ番組を聴くリスナーたちと出会い、少しずつ交流していくことで、前を向いていきます。
主人公たちに共感でき、応援したくなり、一緒に頑張ろうという気持ちになります。ラジオ好きな人はもちろん、いろいろとうまくいかず元気がほしい人にぜひおすすめです。

4冊目は、新海誠『小説 秒速5センチメートル』です。
『君の名は。』『天気の子』などでおなじみの新海誠監督。新海さんは自分の映画を自分で小説に書き直しています。映画ももちろんいいのですが、小説もすごくよいです。このお話は、主人公の男女2人の小学校から大人になるまでの物語。すれ違いが切なくて、でもそこがいいです。新海監督の映画が好きな人は、小説バージョンもいろいろと出ているので、おすすめです。

5冊目は、森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』です。
小学4年生の「ぼく」と不思議な「お姉さん」の物語。街に突然あらわれたペンギンたち。この現象には、歯科医院の「お姉さん」の不思議な能力が関係しているらしいけれど…。主人公「ぼく」は、この謎を解くべく奮闘します。
森見登美彦さんは、蘇南高校の先生方の中でも人気のある作家さんです。登場人物たちや物語にどこか不思議で独特の魅力があると思います。読んだことがない人はぜひこの機会に読んでみてはどうでしょう。

 今回紹介するのは、以上になります。
 こんなときですが、こんなときだからこそ、読書というのもおすすめです。ぜひ休校明けに、読んだ本の話をみなさんとできるといいなと思います!

「今、読みたい、気持ちが明るくなる本」