「『長期戦』のなかの希望」

 本日、長野県や長野県教育委員会の新たな新型コロナウイルス感染症対策をうけて、蘇南高校の「『緊急事態宣言』を受けた本校の対応について(第3報)についての補足説明」をお知らせしました。

 この臨時休業が長期化する可能性が大であることや、そのようななかでインターネットを利用したオンライン教育(Zoomなどの同時双方向通信、YouTubeによる動画配信、Classiの三重構造)で学習を支援することが必要であることなど、蘇南高校ではなるべく「未来」を読んで早めに対策をたてようとしてきました。

 ゴールデンウィークは、私も徹底してステイホームを実行しました。あらためてしみじみと実感したのは、ステイホームを余儀なくされている生徒の皆さんが、いかにつらい思いをしているかということです。私の場合は、毎日のように全国の教育関係者とのウェブ会議や、ブログの更新、宿題として持ち帰った仕事があり、さらにはこのときとばかり家の障子を張り替える家事(作業中に椅子から転げ落ちて大怪我の一歩手前でした)をしたのですが、それでも家にじっといるのは息が詰まりました。
 生徒の皆さんに本当につらい思いをさせているのだと、心から実感しました。先生方もみな同じようなことを言っています。

 しかし、5月の中旬からは、分散登校を実施できることになりました。ただし、すぐに毎日登校できるような日常生活が実現するわけではありません。まずは、分散登校の繰り返しなので、それだけでは高校の学びを進めるにはあまりに不十分です。そこで生徒の皆さんには①登校と②オンライン学習を含む家庭学習の組み合わせによって自分の学びをつくることを習慣化してほしいと思います。

 ここでさらに「未来」を読んでみましょう。
 今、感染症の広まりは緊急事態宣言の政策によって収まりつつあります。けれどもこのまま一気に終息に向かう保証はありません。人々が再び活発に活動しはじめたとき、どこかでまた流行がおこり、それが全国に拡大する流行の第2波・第3波が発生してしまう可能性が十分にあるわけです。最近、多くの研究者が注目するようになった1918年から19年にかけてのスペインかぜ(悪性のインフルエンザ)の流行のときがまさにそうでした。このときには全世界の1~2%(2000万~4000万)の人が命を落としたという研究もあります。
 だから今、私たちが直面しているのは、文字通りの「長期戦」です。ゆえに、①登校と②オンライン学習を含む家庭学習の組み合わせによって自分の学びをつくり、情勢が悪化したときには家庭学習に撤退し、再び登校できるチャンスを伺うことが必要になります。

 そして「長期戦」に勝ち抜いたそのときには、生徒の皆さんは、「授業で先生に指導されたから学ぶ」というのでなく、「未来をつくるために自分の意志で学ぶ“開拓者”」となっているでしょう。
 つまり、「アフター・コロナ」の蘇南高校生は、以前の自分に復帰するのではなく、新しい自分=“開拓者”に進化しているのです。

 したがって私たちの「長期戦」は、希望のある闘いです!

(とはいえ、日々の生活の中で困ったこと、苦しいことがあったら、いつでも学校に相談してくださいね。)

「『長期戦』のなかの希望」