「ツバメと一緒に生徒を迎える」

 本校の先生たちは何人かが並んで、登校してくる生徒を昇降口であいさつをしながら迎えます。
 「おはよう」「暑いね」「今日もがんばろう」といった声をかけています。当番が決まっているわけでもない。生徒の服装をチェックするためでもない。生徒と朝、ことばをかわしあうという、そのことのために、多くの先生が、自分の意思で朝の昇降口に立っています。

 ときどき私も先生方と並ぶのですが、ここのところ、もう少し早い時間に登校する生徒たちと、ことばをかわしたくて、一人で昇降口に立って、生徒を迎えています。

 それで、快晴の青空を見あげながら、ふと横を見ると…なんと!

 ツバメが開いたドアの上に乗って、私の隣で生徒を出迎えている?…なんと!

 よく見ると、いつのまにか保健室の前のひさしに巣を作っており(木曜日と金曜日にあっという間に作ったらしい)、つがいの片方が巣に入って何か作業をしている時、もう一方が近くで周囲を偵察しているようなのでした。
 生徒が昇降口に近づくと、飛び立ちますが、数周ぐるっとまわって、またドアのところに降り立ちます。ここが好きなのですね。

 思いもかけず、ツバメと並んでの朝の声がけになり、楽しいひとときがさらに楽しくなりました。
「ツバメと一緒に生徒を迎える」