「いくつもの曲がり角を通って進んでいく」

 本日、7月10日(金)に学校が4日ぶりに再開できました。JR中央西線の北からの8時電(最も多くの生徒が利用する便)が車両のやりくりがつかず運休になってしまったので、1・2時限をカットして10時50分からのSHRです。

 SHRは5分時間を伸ばし、全クラスで担任から、木曽谷の蛇抜け(土石流)の歴史とその予兆を察知するための教訓、厳しい自然環境は恵みでもあり優れたヒノキを育んできたことなどを伝えました。
 そして今日の信濃毎日新聞1面や市民タイムス木曽版で大きく報じられた、南木曽の2014年の土石流で亡くなった榑沼さん(当時中学1年生)のいのちを胸に刻んで役場職員として奮闘している本校卒業生のことを紹介しました。
 この卒業生Hさんは、「自分も町に残る。(榑沼さんと)一緒に生きていこうと思う」と語っていると、信毎は報じています。そして、市民タイムスは、「命の尊さを知っている人間として、町のために、町民のことを考えて仕事をしていきたい」というHさんの言葉を伝えています。榑沼さんは今もHさんのなかで(そして多くの人々の心の中で)生きている。
 目がしらがあつくなる記事です。

 Hさんの後輩たちは、授業を終えて、来週の文化祭準備に懸命に取り組んでいます。厳しい自然環境だからこそ、ゆっくり時間をかけてまっすぐに優れたヒノキが育つという摂理は、高校生も同じかもしれません。
 厳しい時代だとしても、試行錯誤しながら、いくつもの曲がり角を通って進んでいくことによって、まっすぐな心が形作られていくのかもしれない。
 蘇南生の姿を見て、そんなことを考えています。
「いくつもの曲がり角を通って進んでいく」