「コロナ、集中豪雨の次に眼前にあらわれたものは…」

 今年の異常気象により山の木の実が凶作で、各地でクマが人里に出没する事件がおこっています。
 自然豊かな南木曽町にある本校も例外ではなく、先週は通学路の周辺で3度もクマが目撃されました。週末の金曜日は夜8時過ぎに三留野大橋のたもとで複数のクマが目撃され、幸いにもケガ人はいなかったものの一時緊迫した状態となりました。(下校途中の生徒は教員が自家用車で南木曽駅まで送り届けました。)

 土日には南木曽町長さん、教育長さんをはじめ、町の関係者が現場を検証し、早速、今日には木曽川の河畔に自生している、クマのえさになりそうなクルミなどの樹木を、南木曽町の尽力で伐採していただきました。また、登下校の時間帯に合わせてのパトロールを始めていただいています。学校では、18時以降の下校を集団で行うことを指導するとともに、三留野大橋までの伊勢小屋沢沿いの坂道の二か所にラジオを大音響で鳴らし始めました。21時までスイッチを入れ続けます。

 先週木曜日には全校放送にて、私が直接生徒たちに、(繰り返しになりますが)クマに襲われるとどのような重傷を負うかとか、万が一遭遇したときの対処法などを語りかけました。単独登山でクマに至近距離で遭遇した経験のある私としては、理論通りにはいかないものだということも実感しています。
 この土日、通学路で何回か町長さんや教育長さんの姿をお見かけしました。私も何度となく巡回しました。ラジオの設置については町の電気屋さんの協力もいただいています。

 木曽川にかける桃介橋のまわりに、南木曽岳・伊勢山・中央アルプスが屏風のように並ぶ、信州有数の美しい景観のなかに蘇南高校はあります。
 クマも生きるために必死なのですが、私たちは人里の境界線を死守しなければなりません。それが里山を守ることにつながります。異常気象の影響を肌身で感じながら、生徒の安全を全力で守っていく覚悟です。

「コロナ、集中豪雨の次に眼前にあらわれたものは…」