「夢は職業ではなくて生き方だと思う」

 1学年の授業「産業社会と人間」は、これまで自分史の作成に取り組んできました。その際、自分のこれまでの人生にどのような困難があり、それをどのように乗り越えてきたのかを言語化することを試みたのです。
 今日は、そのしめくくりの授業として、シンガーソングライター、音楽プロデューサーの小田ルイさんの講義&生徒との質疑応答&ミニコンサートを開催しました。
 小田さんは、日本全国やイタリアで音楽活動を行ったり、県内でもいくつかの学校で音楽教育を行ったりするなど、まさに多彩な活躍をしているアーティスト。今年のコロナ臨時休業のとき、蘇南高校応援メッセージソングを寄せてほしいという私の願いを叶えてくださり、感動的な動画を届けてくださいました。
 今回は、1年生だけがその続きを学べるという企画です。小田さんの講義のタイトルは、「壁や挫折を乗り越えて、夢をどのように追い求めてきたのか」。事前に生徒たちが提出していた質問事項にも丁寧に対応しながら、そして本番での生徒からの直接の質問にも丁寧に答えていただきながら、あっという間の1時間が過ぎていきました。ちなみに、Zoomでむすんだオンライン講演会を普通に行えたのは、コロナ経験の成果のひとつです。
 「夢は職業ではない。生き方だと思う。」というのが、今日の小田さんの生徒たちへのメッセージでした。夢は、職業のように成功する・しないで割り切れるようなものではない。それは自分らしく生きること、そのものなのだ、と。たくさんの挫折を重ねて、多くの回り道をして、音楽という夢を追い求めてきた小田さんだからこその言葉です。
 キャリアデザインとは、「どんな学校に進みたいか」「どんな職業につきたいのか」という選択の問題ではなくて、「どんなふうに生きたいのか」というエッセンシャル・クエスチョンを考えることです。
 最後に小田さんが歌ってくださった「ヒビキアイ」のメッセージが、生徒たちの心と響き合って、今日の授業が終わりました。

   言葉の向こう側へ 行きたいと思ってた。
   うまく生きれないことに 一人もがきながら。
   自分の中の暗闇を 目を凝らして見つめた。
   誰かを照らす光が ここにあると信じてたんだ。

小田さん、素敵な講義をいただき、本当にありがとうございました。
「夢は職業ではなくて生き方だと思う」