「学び舎の環境を美しく維持管理すること」

 本校は、南木曽町の天白地区の丘の上に、大空にはばたく鳥の翼のような学び舎を持っています。南木曽駅の西側を走る国道19号から三留野大橋を渡り、南木曽町の記念館群の脇から伊勢小屋沢沿いに坂道を一気に登ると、やがて広い庭が斜面に展開し、その上に赤い屋根と白い壁の校舎が見えてきます。
 この広い前庭には、石碑、初代校長の肖像、彫刻作品などとともに、季節をいろどる様々な植栽が植えられています。1年生が茶摘みをする茶畑もあるし、教職員が春先に山菜採りを楽しめるワラビやタラの芽の群生もあります。その分、絶えず草刈りをし、落ち葉を片付ける校用技師さんの苦労は並大抵のものではありません。本校は2人の校用技師さんが、学び舎の維持・管理のために日々汗を流しています。

 現在、クマ対策として、南木曽町が伊勢小屋沢沿いの雑木伐採をどんどん進めています。本校の周辺の環境がさらに美しくなっていきます。

 実は、先週の話なのですが、本校の校用技師さんが、伊勢小屋沢にかかる岩つつじ橋から本校に登る坂のガードレールをすべてぴかぴかに磨き上げてくれました。300メートルはある長さだと思います。おそらく何年も汚れるがままになっていたガードレールです。学び舎につながる一本道の景観が、何となくわびしく見えていました。
 校用技師さんは、じょうろで水をかけ、洗車用のブラシと亀の子たわしを使って、丁寧にごしごし磨いてくれました。何日もかかって、端から端まで磨き上げていったのです。おかげで今は、ガードレールがこんなにきれいだったのかと驚くような白さで学び舎に導いてくれます。

 ふと、校用技師さんが、「生徒たちが、このような環境整備をしていく学びが必要かもしれませんね」と話しかけてくれました。確かにそうだと思いました。町の皆様、職員に支えてもらっていることに、生徒は感謝の思いをもっているのですが、それだけではなく、自分もまた支援を「する側に立つ」ことを学ぶようなプログラムが、もっとあっていいのだと思います。
 ぴかぴかのガードレールを見ながら、思考と実践の両輪を大切にするような学びをさらにつくっていきたいと考えています。

「学び舎の環境を美しく維持管理すること」