「全国の先生方と教育の『これから』を対話する」

 今日は、ベネッセさんの企画した「教育の『これから』を考えるオンライン・ワークショップ」の講師をつとめさせていただきました。
 ベネッセ教育総合研究所が発行する『VIEW21 高校版・8月号』で、蘇南高校の取組を取り上げていただいたわけですが、その記事を読んでいただいた方々で、さらにコロナ時代の教育実践について語り合ってみたいという方を募集して、オンライン・ワークショップを実施していただいたわけなのです。
 金曜日の午後という忙しい時間帯にもかかわらず、北は北海道から南は熊本県まで、多くの先生方に参加していただき、私の方がたくさんの勉強をする機会になりました。WEB会議が日常生活化したことで、全国の先生方と対話できる幸せをかみしめています。

 対話のテーマは二つあって、①コロナ臨時休校のなかで生徒の持っている力について気付いたことは何だろうかということと、②その気づきをもとにどのような学校の改革を考えているだろうかということです。
 多くの先生方が、生徒が工夫を重ねて学ぼうとしている姿を目の当たりにし、また、教員と生徒、生徒と生徒のあいだの双方向のやり取りの中で学びが進められることの大切さを実感していることがわかりました。やっぱり、みんな、同じだったんですね。
 学校再開後にも双方向のつながりの中でどのように学びを展開するかが大切ですし、生徒が指示待ちではなく自ら工夫を重ねて学ぶことを一層後押ししていくことも大切なのでしょう。

 危機の時代には、今まで「こうだ」と見えていたもの(物事の見え方=星座構造)が大きく動揺して崩れ、個々の要素がバラバラになる(モナド化する)。そのときに個々の要素の可能性がくっきりと見えてきて、新しい物事の構造化のあり方が想像できるようになる。20世紀前半のドイツの思想家ベンヤミンを引用しながら、今、私たちが気付いた「つながりの大切さ」「一瞬一瞬のかけがえのなさ」を学校の一番大切な土台にしたいということを、まとめとさせていただきました。
 
 蘇南高校から全国の先生方と新たなつながりを作れたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
「全国の先生方と教育の『これから』を対話する」