「木曽の伝統のろくろ工芸の技を学ぶ」

 南木曽が世界に誇る技が、ろくろ工芸です。木をろくろによって回し、刃をあててくりぬいて器を作る木地師(きじし)たちが、この地で活躍してきました。

 蘇南高校には二人の伝統工芸士が、芸術科(美術)の非常勤講師として、毎年、生徒にろくろ工芸を教えてくださっています。
 今日は、小椋一男さん、酒井高男さん両先生の授業開きが、2年生を対象に実施されました。木曽・中津川地域に住んでいるとはいえ、電動のろくろを間近で見るのは、多くの生徒たちにとって初めてです。代表の生徒が、先生のサポートを受けながら、勢いよく回転する木材に刃をあてて造形をしていくと、周囲から歓声があがります。最後に先生が刃をあてて自在に美しいフォルムを作り出すと、もっと大きな歓声があがりました。

 生徒は、これからろくろ工芸の技を学び、いくつかの作品を作っていきます。
 本校に赴任してから、私は我が家を少しずつ南木曽のろくろ工芸品で飾りつつあります。フォルムも美しいし、感触、使い勝手が抜群で、これまた歓声をあげながら使っています。

 自分の住んでいる地域にこのような奥深い技があるのだということに、生徒はきっと感動するはずです。そして材料となる木の多彩な美しさと出会うでしょう。
 私も生徒に混じって何か作品を作りたいと、ひそかに願っています。


「木曽の伝統のろくろ工芸の技を学ぶ」