「グラウンドに下りていく急傾斜の階段に手すりを付ける」

 ここのところ、プチ施設改修ラッシュです。
 今日、業者に入ってもらったのは、体育館前の駐車場からグラウンドにおりていく階段に手すりを設置する工事でした。丘を造成して建設された蘇南高校は、グラウンドが最も手前の低いところにあり、次いで体育館、その上に本館というように、インカ帝国の遺跡マチュピチュのように階段状に建物が配置されています。
 その体育館からグラウンドにおりていく階段が、約40段、一直線なのです。今年の職員団体と私との交渉のなかで、体育の教員から「あそこは危ないと思うのですが…」という提言がありました。翌日、現場を見てみると、山登りを重ねてきた私でも一瞬たじろぐ急傾斜です。
 よく半世紀以上、生徒たちはこの階段を何もつかまらずに上り下りしてきたなと思うのですが、考えてみれば、私の生まれた茅野市の家でも、昔は階段がかなり急なことが当たり前だったような気がします。

 今回、階段のまんなかに一本の手すりが設置されたのですが、材質にも工夫してあって、冬に素手で触っても大丈夫なように金属が樹脂でコーティングされています。
 早速、階段をくだってみました。まだコンクリート部分が固まっていないので手すりに触れることはできませんが、気持の面でも随分と斜度が緩やかに感じられました。

 ふと思ったのですが、私たちが「学ぶ」ということは、急な階段を上り下りするようなものかもしれません。だとすれば、それを緩やかに思えるような「手すり」にあたるものは何だろうかと、私たちはたえず工夫をしていくべきなのでしょう。
 余分な恐怖心など持たないようにするための温かい「手すり」とは何だろうかを考え、実践していきたいと思います。
「グラウンドに下りていく急傾斜の階段に手すりを付ける」