「初任の先生の研究授業をみんなで参観する」

 今日は、今年度、長野県の教員に採用された先生の研究授業を行いました。
 本校は、地理的に都市部から離れた場所に立地しているために、初任校として赴任する先生がとても多いのが特徴です。教員生活の船出をした先生方は、この後の長い教員生活の「礎」を私たちと一緒に作り上げることになります。
 私にとって、生徒ひとりひとりがとても大切であるのと同様に、先生方ひとりひとりも、かけがえのない大切な存在です。
 ゆえに私は、初任の先生方の授業を折々に見せてもらっては、いいところ、改善した方がいいところなどを対話しています。今日研究授業を行った先生の授業も、繰り返し見せてもらって、よりよい授業とは何かについて一緒に考えてきました。

 今日の研究授業は、3年の選択科目「政治・経済」で「消費者問題」がテーマでした。先生は、電子黒板を使いながら、わかりやすく簡潔に説明をするとともに、単元の大切なテーマについてグループディスカッションをして、その気づきを授業の推進力にしていきます。生徒たちもディスカッションに慣れてきていて、多少抽象的なお題であっても躊躇せずに考察を進め、一番大切だと思った内容をリフレクションタイムで発表していきます。
 夏休み前に比べると目覚ましく授業の内容が深くなってきたことに、私は感心させられました。先生も生徒もともに進歩しているのです。心の中で、「いいねえ」「うまくなったねえ」と呟きながら1時間の授業を参観したのでした。
 昨日の日曜日の夕方のことです。私が仕事をするために学校に出勤すると、ひとりで黙々と研究授業の準備をしている先生の姿がありました。明日にかける意気込みをそのときにひしひしと感じました。

 先週の職員会で、私は、「初任者の研究授業は、その先生にとって一生の思い出になる大切な機会なので、そのとき授業のない人は、ぜひ、みてアドバイスをしましょう」と呼びかけました。
 教室のうしろにびっしりと埋まった同僚たちの列は、全身全霊をこめて授業を行う初任の先生の「未来」へのエールでもありました。
「初任の先生の研究授業をみんなで参観する」