「私たちの地域・全国とつながる学びを広げる」

 今日、工業科の藤城先生の3年「実習」の研究授業がありました。
 2時間つづきで、課題として与えられたシーケンス制御の回路を実現して機械を動かすという内容です。何が驚いたかというと、夏頃に見た「教えてもらうのを待つ」生徒たちが、今日は、必死に自分で考え、試行錯誤し、互いに教え合っている「チャレンジする」生徒に成長していたことです。私は涙が流れそうになるのをこらえたほどです。ああ、この子たちは成長した!

 2時間必死に頑張ったのですが、生徒たちは課題のシーケンス制御完成にまではいたらなかったのです。くやしそうな、へとへとになっている生徒の姿がありました。
 そこで藤城先生は、ルーブリックで学びの振り返りをさせました。そもそも授業の冒頭で、今日の授業は、判断力とかレジリエンス(回復力)を目指すものだと、生徒と共有してありました。簡単なルーブリックで2時間の自分を振り返ることで、「君たちの判断力や回復力は、相当伸びたよね。学んだことは、高校卒業後もずっと活かしていけるんだよ」としめくくりました。
 全国工業校長協会の研究実践校になって、藤城先生が新しい授業をつくり、生徒たちがよく学んだことがよくわかりました。

 放課後は、全職員が集まって、元和歌山工業高校長の小山宣樹先生の講演をリモートでききました。
 全職員で全国の高校に視察に行きたいのだけど、コロナで叶わないので、せめてリモートで勉強しようという趣旨です。テーマは、「地域協働のあり方について」。とても大切な問題提起をご自身の豊かな実践経験から投げかけていただきました。

〇高校が地域と協働する場面はいくらでもあり、教師がそれに気づいていないだけだということ。
〇地域と協働すればそれでよしではなく、それによって生徒にどんな力を育むかをしっかり明確にすること。
〇それは授業改革と必ずつながるべきこと。
〇そして地域とつながっていくことは、その先の全国、世界とのつながりを創造していくこと。


 本校が目指す道を示唆いただいたのでした。私たち職員集団が、自分たちが日々頑張っていることが、日本の教育の中でどのような位置にいるのかを再定位する貴重な機会になったのだと思います。
 私たちの授業改革も、実は小山先生から折々にアドバイスをいただいています。

 コロナ禍をはねのけ、私たちの地域、全国とつながる学びは、むしろ広がっています!
「私たちの地域・全国とつながる学びを広げる」