「消しゴムはんこアートの美しさ」

 本校の玄関ギャラリーは、この時期になると生徒の学習成果物が展示されて、なかなかの壮観です。

 階段のすぐ横の小さなスペースに、美術の時間に生徒たちが取り組んだ、消しゴムはんこを組み合わせたカレンダーが展示されています。小さなカレンダーなのですが、これが実に美しい。私はたびたびこの作品群の前に立ち止まっては、見入っています。
 カレンダーの前には作者の「思い」が書かれたカードも一緒に展示されています。
 
 ちなみに、大切なものにはんこを押すといういとなみは、古くは古代メソポタミア文明の円筒印章から存在していました。容器を粘土で封印して運搬するときに途中で中身をすりかえられないように粘土の上に模様入りの円筒を転がしたわけです。インダス文明にも印章がありました。
 世の中は、はんこの廃止がブームのようになっていますが、押印することでその人の存在を表現するという文化は、蘇南高校で、このような遊び心いっぱいの可憐な芸術をうみだしたのでした。

「消しゴムはんこアートの美しさ」