「すぐにUターンするために」

 おそらく長野県の県立高校では最も遅い3月6日(土)が蘇南高校の卒業式です。今日は、テスト返却を中心とした特編授業が行われ、放課後には卒業式の準備をしました。

 まずは、生徒会が作成した卒業式のオープニング・ビデオが完成したというので、一足早く私が視聴しました。内容はまだ秘密なのですが、全校生徒が制作にかかわったすぐれもの。いかんいかん、すでに涙腺が刺激されます。

 その後、卒業式後のホームルームの様子を、感染予防のために控室に待機する保護者に伝えるための同時オンライン中継のテストをおこないました。担任と生徒の様子を複数の画面で保護者にリアルに伝えられるような中継方法を工夫しました。
 蘇南高校らしく、とてもたくさんの教員がこの中継テストに関わっています。(もちろん本番も。)これなら臨場感が出せて、控室にいても「よかった」と思ってもらえると確信しています。もちろん担任が控室に出向いてのあいさつ、学年主任のあいさつなど、控室の組み立ても整えています。

 昨日、私は、職員会で先生方に、国語教育の名手・大村はまのことばを引用しながら、「教員は渡し船の船頭であり、向こう岸に旅人を届けたらすぐにこちらの岸に帰ってこなければならない。卒業式は、旅人が船から降りる行為であり、それをしっかり見守って、すぐにUターンするのだ」と語りかけました。万感の思いで旅人を向こう岸におろすのです。別れるのがつらいからこそ、すぐにUターンしなければなりません。

 本校は、全校生徒が体育館に集まって、保護者とともに卒業式をおこないます。
 受験で来られない生徒のためには、「第二次卒業式」も用意しています。校長式辞も、2種類、書くつもりです。
「すぐにUターンするために」