「華麗なシャクヤクの花を百本いただく」

 蘇南高校のある天白台の中腹には、桃介亭というカフェがあります。この古民家風の建物は、実は本校の元同窓会館として建てられ、今は、南木曽町が観光振興のために管理運営しています。

 現在のカフェの経営者は、東京からIターンをして南木曽町で定年後の第二の人生を謳歌しておられる飯嶋さん。桃介亭は金土日の終末の営業のみなのですが、名物は絶品のおそばで県内外の根強いファンから愛されています。私もその一人。
 そればかりでなく、飯嶋さんは、蘇南高校にとっての大切な「先生」でもあります。経営ビジネス系列の生徒たちが、そばの栽培・収穫・商品化をする際の「そばうちの先生」。そして1年生がキャリア学習をする際に、大手自動車メーカーから田舎暮らしに転じたIターンの軌跡をレクチャーしてくださる「人生の先生」。

 今日、飯嶋さんが、「素敵なシャクヤクが手に入ったから、生徒さんに差し上げます」と、何と100本(!)のシャクヤクを学校に持ってきてくださいました。
 南木曽町の柿其地区にシャクヤクを栽培しておられる農家があるとのこと。目を奪われるほどの見事なシャクヤクです。一人で持てるような量ではないので、お手伝いをしてくださった、地域おこし協力隊員の清家さんと三人で記念撮影をしました。
 飯嶋さん、本当にありがとうございます。
 いただいたシャクヤクは、明日から、すべての教室と正面玄関ホールに飾らせていただきます。

 シャクヤク(芍薬)の花言葉は「慎み」。観賞用のほかに、鎮痛などの薬効がある薬草でもあり、日本の歴史上、とても愛されてきた花でもあります。
 小野小町が深草少将に思いを告げられた時、庭に芍薬を1株ずつ植えて百株になったら受け容れると答え、深草少将が99株まで植えた時に悲運の死をとげたという伝説がありました。

 まさか「100の花」が蘇南高校を彩ることを、生きている間に目の当たりすることができるとは、何という幸せでしょう。


「華麗なシャクヤクの花を百本いただく」