「念のために通学路のクマ対策を始める」

 ここにところ毎日のように北海道でのクマ出没の報道がなされています。長野県内でもあちこちでクマの目撃情報が寄せられており、怪我を負ったケースも出てきています。

 伊勢山(伊勢神宮の材木を搬出したところからこの名前があります)の麓に存在する蘇南高校の通学路では、昨年度、幸いにも生徒がクマと遭遇することがなかったものの、複数の目撃情報があり、木曽川・伊勢小屋沢の雑木の除去や通学路での大音量ラジオ放送などを行いました。
 7~8月はクマが繁殖のために活発に動き回る時期でもあり、また里山環境の衰退のために、全国で起こっている状況は、本校の周辺でも十分に起こり得ることです。
 そこで、まだ目撃情報はありませんが、今日からの平日に、夕方4時半から夜9時までの間、ラジオの大音量を通学路の「悲しめる乙女の像」の一帯で流すことにしました。
 
 元来、クマはおとなしい動物なので、万一出会ったときには、そっと離れるのが一番なのですが、実際に巨大な動物をまのあたりにしたときに冷静に対処するのは困難です。
 昔、私は真冬の12月30日に中央アルプスの支尾根を独りで登っていて、クマと遭遇しました。そのときのことは、今でも鮮明に思い出します。クマのほうが一目散に逃げていってくれたのですが、私はただ心臓をバクバクさせて佇むだけでした。
 ちなみにクマは下山の方向に(!)走っていき、私は逆の方向に(つまり山頂に向かって)登山を続行しました。藪の中をバキバキ枝を折りながら進むクマの物音に、圧倒的な迫力を感じたのでした。
「念のために通学路のクマ対策を始める」