「学ぶとはわからないことが増えること」

 今日、夏休みがあけ、明日からの完全オンライン教育に向けて半日だけ登校をしました。JR中央西線が一部の区間不通になっているために代行バスで登校した生徒もいます。みんな元気な顔を見せてくれました。

 私は全校の生徒に次のような話をしました。

(1)異常気象の豪雨とコロナ禍は、実はつながっている。「人新世」とも言うべき人類が地球環境に大きなダメージを与えている今、私たちは「自由」を「人々の幸せを実現するための自由」として行使していかなければならない。コロナ禍の中の私たちもまた、自分のやりたいことを我慢して「人々の幸せ」のために「自由」を使えるかが問われている。コロナとの闘いは、人新世の闘いの「前哨戦」にすぎない。

(2)私たちにとって、適切なイメージや概念をもつことが大切である。「人新世」という新しい概念をもつことで、自分の生き方を考えるきっかけになる。同じことは、明日からの完全オンライン教育についても言える。私たちは仕方なくやるのではなく、「蘇南生の能力を伸ばす大きなチャンス」だからオンライン教育を行う。そんなイメージをもってほしい。普段通りでないからこそ、「学びの自己調整力、回復力、学んだことが未来につながることをイメージする自己効力感」を伸ばすチャンスになるのだ。

(3)17世紀のフランシス・ベーコンは、「知は力なり」と言った。学ぶことでパワーアップするという考え方はわかりやすい。でもそれだけではない。同じころ、ブレーズ・パスカルは、学べば学ぶほど、わからないことが増え、自分が無知で弱い存在であることがわかってくると述べた。学ぶから「わからない」と思う。そしてさらに学ぶ。学ぶことは、そんな永遠のチャレンジだ。

 LHRでは、オンライン授業の接続方法を全校生徒が確認しました。時間割どおりにすべての授業がオンライン双方向で行われるので、確認することも多くなります。
 このあと、夕方、各家庭から本校のシステムに接続をして、自分の住まいの地域の電波状況を確認します。まさにチャレンジの連続です。

 「わからないこと」を大切にしながら、明日からの新しい一歩を刻みたいと思っています。

「学ぶとはわからないことが増えること」