「モンキーたちとの駆け引き」

 完全オンライン授業を続けていると、この静寂に包まれたキャンパスに「侵入者」が現れます。サル軍団です。

 以前に通学路の歩道に群れで寝そべっていたサルが、登校する生徒を威嚇したことがありました。立ちすくむ生徒をたまたま通りかかったPTA会長が自動車で学校に送ってくださったのです。
 以来、頭にきた校長は「モンキー・ハンター」と自称し、キャンパスにサルが侵入したという情報を得ると、すぐさま出動してサルを追い払っています。
 最近では、戸外の物音の中でもサルの叫び声を聞き分けられるようになり、気配を感じただけですぐ出動しています。

 モンキーたちからは、それなりに恐れられているようです。以前は私に追い払われると、少し離れた樹の上に登り、こちらの出方を伺っていましたが、最近では少しでも校長の姿を見ると、森の中に一目散に逃げていきます。「ヤバイ、あいつだ!」という表情で、振り返ることを一切せずに逃げていきます。
 形勢がこちらに有利になったのは、モンキーたちが森に逃げ込んだときに、校長も森の中に深く分け入って追いかけて以来だと思っています。「ここまでくるのか、クレイジーだぜ」と思ったことでしょう。
 これも駆け引きのひとつで、スキを見せると動物に攻め込まれるので、徹底して嫌われるしかありません。

 今朝は、5時半頃から教員住宅の駐輪場の屋根で、モンキーたちが「走り幅跳び」を遊び始めました。私は玄関から出て、彼らを追う払うことはせずに、そのまま別方向に歩きました。
 でもモンキーたちは、血相をかえて森の奥に走り去っていきました。
「モンキーたちとの駆け引き」