「障害者とは多様性に対応できていない社会から障害を受けている人」

 今日の全校人権学習は、私自身、大きく心を揺さぶられました。
 ゲストは、先天性の心疾患をもつ猪又竜さんと、5歳の時に筋肉の難病を発症した井出今日我さんのお二人。オンラインでお二人と各クラスをむすび、80分の学習会を行いました。

 「あなたが、井出さんのような電動車椅子の障がい者だとして、無人駅を利用したい。どうする?」というワークショップを行いました。多くの生徒は、「そもそも無人駅を避けてタクシーを使う」「行程そのものを変更する」と答えます。
 そこで猪又さんが、「皆さんは必要があれば、当たり前のように無人駅を使う。ならばどうして電動車椅子の人だけ、無人駅に行くことを諦めなければいけないんだろう」と問いかけます。
 「障害者とは、色々な人がいるということに対応できていない社会や人から“障害を受けている人たち”なんじゃないかな。」
 
 障害とは、その人の資質のことではなく、その人が被っている社会的状態のことなのだ、というとても大切な指摘です。

 最後に「今の病気が完全に治る薬があれば、私たちは飲むと思いますか。」という問いかけがなされました。「一般論ではなく、あくまで自分一人の個人の考え」と断って、お二人は「飲まない」と生徒に語りました。「今、幸せだから。」「自らこの病気を選んだのかもしれないと思っているから。」
 生徒たちに「きみはきみのままでいい」というメッセージを伝えていただいたのでした。

お二人の明るく、誇り高き姿勢に、私は涙をこらえながら、学習会に参加をしました。

 猪又さんと井出さんは、Youtubeに魅力的なチャンネルをもっておられます。機会があれば、ご覧ください。
「障害者とは多様性に対応できていない社会から障害を受けている人」