「生徒が防災訓練を企画して実行する」

 緊急放送の後、生徒がおとなしく先生の後についてグラウンドに避難して、消防署の方の講話を聞く…というのが、学校の避難訓練の定番です。

 3年の総合探究で「防災」をテーマにしている3名が、「これではだめです」と校長室に直談判に来ました。
 そこで今日は、生徒がプランをたてて、教員が協力をする防災訓練を実施しました。

 緊急放送で「発火場所」が知らされます。そこで短時間のうちに「どのような避難経路をとるか」を生徒同士が議論して決めます。それを教員がさらに助言して、そのコースで避難をしました。
 皆が、「発火場所をどう避けるか」については、考えました。しかし、消防署の方から、最後にこう問いかけられました。「灯油の貯蔵地下タンクを避けましたか?」
 それは意識してなかったと、皆がはっとしました。

 避難後に、生徒がワークショップを主宰しました。一番古い商業棟の1Fにある調理室で発火したら、上の階の自分がどうするかというシミュレーションです。商業棟の避難階段が老朽化のためにコンクリート片が落下するおそれがあり、普段はネットで閉鎖されているのです。
 全校で議論して、避難方法をさまざまに考えました。
 主宰した3名(古川さん・澤渡さん・戸前さん)からは、「このようなときにそれでもどう逃げるかを考えましょう」という問いかけと共に、「校長先生には、このような状態を放置せずに、すみやかに改善策をとってください」と強い要望を受けました。
 「わかりました。すぐに予算措置をとります。」と私。

 「長い間、避難訓練を見てきたが、今日のような避難訓練は初めて見ました。とてもよかった。」と消防署の方から温かな講評をいただきました。
「生徒が防災訓練を企画して実行する」