「文化財としての郷土食を未来に伝える」

 今日は、2年生の選択講座「フードデザイン」(半場先生)の授業で、木曽福祉保健事務所と連携した郷土食の学習「食の支援講座」を行いました。

 この木曽地域は、それぞれの地区に昔から伝わる独自な料理・食材の種類がとても豊かです。この地域でしか味わえないような料理もたくさんあります。
 こうした料理は、美術品や舞台芸術とならぶ「文化財」だと私は考えます。この文化財は、大勢の若者が実際に作ってみることで、その魅力を知り、自らも作り手となることで、未来に継承されていくものです。

 今日は、河野さん、矢澤さん、麦島さんという地域の大人の皆さんから、本校生徒が、荏胡麻の白和えとか、けんちん汁、芋のころ煮を教えていただきました。芋は、本当は、南木曽の蘭(あららぎ)地区に伝わる在来種を使うのですが、今回はシーズン外なので、じゃがいもで代用しました。
 私も試食させていただきましたが、一言で言えば、料亭の味。上品で野菜のうまみがとてもよく引き出されています。祖先からずっと引き継がれてきた郷土食には、ひとびとの知恵が「味」の形で凝縮しているのです。

 「やってみると自分でもできるとわかった」「自分の家の味と違うのだけれども、この味付けもいい」といった感想を、生徒はリフレクションで語り合ったのでした。
 私からは、「これ、文化財だよ」とメッセージ。

 追伸
 講師のひとり矢澤さんが、「若い先生たちにも郷土食を知ってほしいから」と、南木曽ならではの料理を届けてくださいました。
 「からすみ」:南木曽では米粉で作る桃の節句のお菓子のことなのです。絶品。
 「あかたつの漬物」:いもの茎の漬物。これがまた爽快な食感と味。いもは素揚げにして活用。
 「そばいなり」:揚げのなかにそばを入れて、カラフルに飾る。とても華やか。

 ここでしか食べられない文化財なのです。とてもおいしかったです。ごちそうさまでした。
「文化財としての郷土食を未来に伝える」