「木曽路すべてを学ぶ場所にする」

 今日の早朝、2年生が長崎修学旅行に出発しました。順調に旅を進めていますが、現地からのレポートが遅くなるために、明日掲載することとさせてください。(簡易版の報告はHPで行います。)

 実は、今日、本校初企画の1年生の「ふるさと研修旅行」を実施しました。
 蘇南高校に在籍しているのに妻籠や馬籠に行ったことがないとか、隣の大桑村・中津川市の歴史を知らないという現状を何とか変えたいと思ったからです。自分の生きている場所の「記憶の地層」を自覚して、自分がどう生きていきたいのかを考えてほしいのです。

 1年生は、地域の文化遺産を自分たちで調べて、二つのコースを組み、バス2台で研修旅行を「創造」しました。(2台のバス代は南木曽町から多大なご支援をいただきました。本当にありがとうございます。)

(1)大桑村では、中世の小木曽荘(おぎそのしょう)を背景にした池口寺・白山神社・定勝寺の文化遺産を学びました。
(2)南木曽町では、等覚寺の円空仏を拝観し、本堂の奥の焼き印入り(これがないと死罪になった)のヒノキの柱を見学しました。福澤桃介(諭吉の娘婿)が建設した、重要文化財の読書発電所の内部を見学しました。妻籠宿では脇本陣の美しい内部をめぐり、博物館のバックヤードに入り古文書の管理の醍醐味を学びました。
(3)中津川市では、馬籠の藤村記念館で藤村の生原稿や蔵書を見ながら、『夜明け前』を書いた作家の生涯に思いをはせました。中山道歴史史料館では、近世の中津川宿の盛況ぶりを想像しました。

 すべての歴史遺産の場所で、その道の第一人者の方々の解説をいただいています。生徒も熱心にメモをとり、準備学習をした歴史遺産を実際に体験して知ったこと、感じたことについて考察をしていました。

 蘇南高校は「校舎」だけが学ぶ場所ではありません。この素晴らしい「木曽路すべて」が学ぶ場所なのです。

「木曽路すべてを学ぶ場所にする」