「この世界の片隅に――修学旅行レポート・補遺」

 一日に二度の投稿になって申し訳ないのですが、どうしても書いておきたいと思ってPCに向っています。

 修学旅行のバスが無事に学校の下の天白公園に戻ってきました。

 最初に笑顔の教員がおりてきて、そのあと、疲れを微塵も感じさせない笑顔の生徒たちがおりてきます。トランクルームから荷物を受け取ると、なぜか生徒たちが並びます。
 「先生たちはここに来てください」と私たち教員を前に立たせ、代表の生徒(垂見さん)が旅行を終えた今の思いを語りました。コロナの時代であるにもかかわらず、予定していた旅行を実現してくれたことへの感謝のことばから始まり、この四日間の中でどれほどの喜びがあり、どれほどの互いの絆の深まりがあったかを話してくれました。
 「この旅行で得たものを、必ず私たちは、残りの高校生活の進路実現、生徒会、部活動の充実につなげていきます! 本当にありがとうございました!」
 垂見さんと居並ぶ生徒たちが、そういって頭を下げるのでした。

 そして親の自動車に戻る途中、さらにバドミントン部の生徒たちが、私たち一人一人に感謝の思いを告げて帰っていきました。

 修学旅行のこのようなエンディングの風景に、私はとても驚き、心を動かされました。
 理由は二つあります。一つは、改めて生徒たちの「人を大切にする生き方」を目の当たりにしたこと。もう一つは、実は昨年の2年生もエンディングでこのようなサプライズ・セレモニーをしてくれていて、おそらく生徒の間で「学校文化」としてこの生き方が受け継がれていること。
 文化祭と違って上級生がそれをしている場に立ち会ってもいないのに、彼らは「ある生き方」を確実に受け継いでいるのでした。

 昨日までの寒風吹きすさぶ夜とはうってかわって、おだやかな空気の感触のなか、月が明るく輝いていました。
 2021年11月の「この世界の片隅に」、このような生徒たちがいたのだということを書きしるしておきたいと、思ったのでした。


「この世界の片隅に――修学旅行レポート・補遺」