「生徒が妻籠宿で南木曽ねこのレンタルショップを開く」

 13日(土)に、3年生の「総合探究」の授業で「南木曽ねこ認知度100%計画」というテーマをかかげて探究をしている生徒たちが、妻籠宿にレンタルショップを開業しました。
 「南木曽ねこ」とは、この地域独特の冬の防寒具で、袖のない半纏のような形をしています。「ねんねこ」が転じて「ねこ」になったとも言われています。(私は最初聞いたとき、イリオモテヤマネコのような南木曽のヒノキ林の中にいる希少種のキャットのことかと思いました。)
 木を削って器や卓などを創作する木地師の皆さんが、木屑で汚れないように、そして腕の動きが自由になるようにするために、袖のない防寒着になったという説もあります。その形を見ると「袖がないので寒いだろう」と思うのですが、着てみるとびっくり、肩・背中・腰の要所が温められて、しかも肩がこらずに着心地がとてもよい。しかし今の若い人たちは、この独特の服を身に着けることがほとんどありません。
 ただし一方で「南木曽ねこ風」なるものも流通しており、南木曽ねこの組合が認定したタグがついている、地域の方々が製作した正統派を守ることも大切です。

 そこで生徒たち(上越さん・矢澤さん・吉田先生)は組合長の吉村さんの多大なご指導をいただきながら、①若い層向けの新たなデザイン・素材を使用した南木曽ねこを開発、②長野朝日放送のふるさとCM大賞に応募(最終選考20組に残っている)、③妻籠宿でレンタルショップを開設して観光客に積極的に広報…などの実践を組み合わせながら、南木曽ねこの一層の人気アップに努めています。

 言うは易し、行うは難し、とはまさにこのことで、妻籠宿の商売のルールとして、「呼び込みNG」「道路への看板出しNG」など制約が多い。だから開店当初は、閑古鳥が大声で鳴いている。見かねた校長が観光客を装い(長野県高校演劇連盟の会長なのだ)、南木曽ねこを身にまとい、妻籠宿の通りを行ったり来たりしました。お菓子屋のおばさんから「お兄さん、南木曽ねこ、買ったの」と声をかけられ、「そうなんですよ。いいですねえ、軽くて着心地いいですよ。」と都会から来た観光客のフリをする。(これNGの呼び込みではないだろうか。)
 校長のスタンドプレーとはまったく関係なく、次第に観光客がショップに立ち寄るようになり、着てみたり、生徒のアンケートに答えてくれたりするようになりました。観光客の意見の傾向は・・・生徒の探究の途中なので今日は秘密とします。

 南木曽ねこ組合の吉村さんや南木曽町観光協会の多大なご支援をいただいてのショップ開店(あくまで1日限定)でした。本当にありがとうございました。
 生徒の作ったテレビCMは長野朝日放送のホームページで公開されています。よろしければご覧ください。
https://www.abn-tv.co.jp/cm-nagano/
「生徒が妻籠宿で南木曽ねこのレンタルショップを開く」