「1年生が互いの工業デザインを対話して評価しあう」

 本校は、テストの点数だけでなく、生徒の多様な学びのプロセスを丁寧に評価することに心がけています。そのために、全国工業高校長協会の評価手法実践研究校に指定されています。(本年度で2年目)

 22日(月)には、本年度の研究授業を実施しました。藤城先生が担当する1年「工業技術基礎」で「知的財産」の重要性を学んでいる様子を公開し、県内外から集まった先生方に参観していただいたのです。協会からは小山先生と鈴木先生が講師として来校してくださいました。
 工業製品をデザインするアイデアを磨くために、生徒が文房具の新しいアイデアを考えて発表し、友人との対話を経て、そのアイデアの改良案を練り上げていきます。自分の発想力や協働性を授業の途中と最後で「自己評価」するわけですが、あわせて友人の発想力を「相互評価」することが、今回の授業のチャレンジでした。「相互評価」を重ねていくことで、「自己評価」の目を磨きたいというのが、ねらいです。

 「線を引くことで線の長さが表示されるボールペン」とか、「絵画や図に接触することで色が文字で表示される色覚障がい者用のタッチペン」、「書かれた文字を写し取って別の場所に貼れるテープ」など、生徒から出されるアイデアに、私もなるほどと膝を打ったのでした。
 それぞれのアイデアの長所や短所を相互に指摘しあっている姿も感心させられました。ただ、「相互評価」(観点別にABCをつける)は、どうしても遠慮して高評価をつけがちになります。一生懸命、対話を重ねたのですから気持ちはわかります。授業後の研究会では、そもそもABCのランクづけよりもコメント記述のほうが「相互評価」には適切かもしれないという発言もありました。挑戦したからこそ見えてくる風景です。
 
 この日は、学校見学の中学生、取材のために来校された記者さん、そして多数の授業参観の先生方と、朝から目まぐるしくお客さんをお迎えしました。
 大勢の人に来ていただける学校でありたいと改めて思ったのでした。
「1年生が互いの工業デザインを対話して評価しあう」