「夜に三留野大橋の雪かきをしていたら」

 今日は、母の四十九日法要を茅野市の生家で行い、山の上の墓地に納骨をしました。真正面に富士山がきれいに見える場所なのですが、今日はあいにくの雪まじりの天気でした。

 夜7時半に南木曽町に戻ってくると、木曽川にかかる三留野大橋の歩道には雪が降り積もっていました。
 自分は自分のできることを精一杯やりたいと思っているので、明日、朝早くに登校してくる生徒のために、教員住宅から道具を持ち出して雪かきを始めました。そうはいっても長い橋なので、次第に腕がしびれてきます。しかも昨冬の経験で、きちんと雪を川に落としておかないと、融けた雪が再び歩道で凍結してもっと危険になりかねません。
 そこでかいた雪を欄干の外に放り投げていったのです。
 ちょうど橋のまんなかに来た時のこと、雪を放り投げるとともに、雪かきもまた、手をするりと抜けて欄干の向こうに飛んでいってしまいました。「あっ!」と叫んだものの時すでにおそし。

 昔話ならば、ここで川の神様が出てきて、「おぬしの落とした雪かきは、金の雪かきか、それとも銀の雪かきか?」と問いかけてくるはずなのですが…。
 ちょうど弓道をしている友人が矢とともに弓を飛ばしてしまった経験を語り、「どうしたら弓を手放してしまうのだろう」と笑ったばかりでした。弓が離れるのだから、雪かきも離れるのかしらん。

 明日は、木曽川の河原の捜索をしなければ…。とほほ。
「夜に三留野大橋の雪かきをしていたら」