「ロシアのウクライナ侵攻を目のあたりにして」

 今日は、朝の職員連絡会で、先生方にこう呼びかけました。
 「今、世界で現実に戦争が起こっているということを、是非、ホームルームで話題にしてほしい。戦争というものが、このように理不尽にひきおこされるのだということを、生徒と見つめてほしい」と。

 今から35年前の大学3年生のとき、初めての外国旅行で私が最初に渡航したのが、ソ連でした。新潟からシベリアのハバロフスクへ、そしてソ連の国内便でウクライナのキエフへ。
 チェルノブイリ原子力発電所の事故から間もない頃で、キエフにはほとんど旅行者がいませんでした。「誰もソ連政府の言う『安全』など信じていない」と、人々は語っていました。
 
 教員になってから原発事故の被災者を描いた『チェルノブイリの祈り』を書いたアレクシエーヴィチさんとお会いして、本にメッセージをもらいました。彼女はのちにノーベル文学賞を受賞します。この本に、次のような一節があります。

――あ、待ってください。あなたにわかっていただきたいの。私は神さまはこわくない。こわいのは人間です。
「ロシアのウクライナ侵攻を目のあたりにして」