「私たちの高校だけの独自の「入学する瞬間」」

 蘇南高校創立以来、第70回目の入学式を、満開の桜のもとで挙行しました。新1年生49名が、今日から蘇南高等学校生となりました。

 本校の入学式は、①新入生の呼名、②校長による入学許可、③新入生代表の宣誓…と多くの高校で行われている次第に続いて、④新入生全員による宣誓署名…があります。昭和50年代の村山正校長(のちに長野県教育長)の発意で始まり、代々受け継がれているものです。
 私はこう新入生に語りかけました。

――「法律上は、その高校に「入学した瞬間」は、校長が入学を許可した瞬間です。しかし、蘇南高校の「入学した瞬間」は、「全員の署名簿を提出したとき」なのです。校長の許可だけでなく、生徒の皆さんの主体性があって高校生活が始まる。これが蘇南高校の伝統です。」

 BGMが流れるなか、一人ひとりが心を込めて署名している光景を見ながら、私は、この生徒たちの未来の幸せを祈っていました。(入学式なのだから感極まることはないだろうと油断していたのですが、思わず涙が流れそうになったのでした。)

 私は校長講話のときにはいつもパワーポイントを使ってスピーチしています。今日は、「1ミリの成長からすべてが始まる」というテーマで話をしました。

――「蘇南高校の学校目標は、「開拓者精神」です。私たちが考える開拓者とは、「未来の人々の幸せを想像して、今の自分が努力する」、そのような人のことです。ゆえに蘇南高校の3年間は、「未来の人々の幸せ」とは、どのようなものなのだろうかを考え抜く日々になります。同時に、その日々は、学びを積み重ねるなかで「どれだけ成長できたか」をふりかえり、新しい自分に出会っていく日々です。1ミリの成長でもいい。その1ミリの成長を積み重ねていくことで、皆さんはきっと地球温暖化とか世界平和といった人々の幸せを左右する巨大な課題に立ち向かう開拓者になっていくでしょう。
(学校長式辞の全文はコチラです。https://www.nagano-c.ed.jp/sonan-hs/pdf/20220407_kouwa.pdf )

 コロナ対策のために、録音を聞くだけであった「校歌吹奏」のところでは、今回初めて音楽の原先生に独唱をしてもらいました。
――永久(とわ)に揺るがぬ心もて
  ああ蘇南 蘇南高校
この言葉が体育館の中に響き渡ったのでした。

 新入生の皆さん、これから思いきり一緒に学んでいきましょう!
「私たちの高校だけの独自の「入学する瞬間」」