「最高の春の風景を見ながら、でもやっぱりウクライナのことを語りかける」

 前庭では、満開の桜に加え、鮮やかな色のミツバツツジ(岩ツツジ)も咲き始め、まさに「花の海」です。今日は青空に聳える南木曽岳とすばらしい風景を織りなしていました。蘇南高校に身をおいて迎えた春は3回目なのですが、とりわけ見事な世界を見ることができています。

 今日は、1年生のオリエンテーションと対面式が行われました。対面式は、生徒会の企画に沿ってすべてが進行し、執行部から生徒手帳と記念の鉢植えが1年生に贈られました。そして委員会・部活動の紹介が行われ、自主的に取り組む高校生活の魅力について、先輩が後輩に懸命に伝えていました。

 対面式の冒頭で、あらためて私から全校生徒に語りかけをしました。
――ロシアがウクライナで民間人を大量に虐殺していることが明らかになって、私たちはニュースを見るたびに心がつらくなります。でもロシア国民のプーチン人気は圧倒的であるとのこと。大量虐殺のニュースは、プーチン大統領によってフェイクニュースとされて、ロシア国民もそれを信じているからです。
――では、日本社会に生きている私たちは、そんな事態に陥ることがないと本当に言いきれるかを考えてほしいと思います。ネットのニュースだけで物事を判断している人は、実は自分の好みを人工知能が識別して好みに合うものだけがニュースとして目の前に配信されているということに、自覚的でなければなりません。自分の好みとは違う、新聞とかテレビのニュース、書籍から学ぶという生き方をしていってほしい。皆さんに特にこのことを呼びかけます。
「最高の春の風景を見ながら、でもやっぱりウクライナのことを語りかける」