「蘇南高校生が日本のチカラと出会う」

 15日(日)5:45~6:15の早朝、信越放送のTV番組「日本のチカラ~汐凪に吹く風」が放映されました。

 東日本大震災で父・妻・次女を失った、木村紀夫さんと長女の「その後」の日々を丁寧にたどったドキュメンタリーです。長野県の白馬村に避難して長女を高校に通学させ、長女の卒業を機に福島県に戻った木村さん。太陽光発電から得られる電気だけを利用する簡素な生活をいとなみながら、福島第一原子力発電所からわずか3キロの自宅(帰宅困難区域)の手入れと次女の汐凪(ゆうな)さんの捜索を続けてきました。自宅からわずか200メートルの場所で汐凪さんの遺骨の一部が発見されたのが、ようやく2016年のこと。
 今も汐凪さんの遺骨を探し続けながら、木村さんは、大熊町の現状をリアル配信して「いのち」を守ることはどういうことかを若い世代に問いかける伝承活動を展開されています。

 今日のTV番組の後半は、昨年暮れに木村さんが蘇南高校の全校生徒たちに行ってくださったオンライン講演会の様子が映し出されました。木村さんの思いを本校の生徒たちがしっかり受け止めて、「自分ごと」として大震災と原発事故を考えようとしている風景でした。

 番組のラストシーンでは、木村さんが汐凪さんのために建てたお地蔵さんの映像に、今もなお汐凪さんの遺骨を探して土を掘り返す、木村さんの鎌の音が重ねられていました。あきらめない、絶対にあきらめない、という響きに聞こえました。
 まさにこれこそ「日本のチカラ」だろうと、私は胸が熱くなったのでした。

「蘇南高校生が日本のチカラと出会う」