「来るべき県知事選挙を前にして民主主義の課題を考える」

 今年は選挙が目白押しで、8月7日には長野県知事選挙が行われます。7月21日が告示になりますから、もう間もなくなのです。
 今日は、長野県選挙管理委員会より西山さん・大橋さんがお越しくださり、3年生全員が大講義室に集まり、県知事選挙に関わるお話を聞きました。
 
 7月10日の参議院選挙の長野県全体の投票率は、57.7%で過去3番目の低さでした。それに対してわが木曽郡の投票率は、なんと70.65%。栄村だけで構成される下水内郡を除く市・郡の中では1位でした。
 本校の生徒を見ても、「きちんと投票しました」と言う生徒が多いので、全県1位はわかるような気がします。私自身、これまでの人生で選挙を棄権したことはありませんし、子どもの頃、日本社会の大人たちはもっと1票の権利を行使していたことを鮮明に覚えています。

 今日の西山さんのお話で、「ゼロ票確認」ということを私は初めて知りました。最初に投票する人は、投票箱が空であることを確認することになり、しかも投票所によっては空の様子を撮影できるためにSNSでこれを投稿することが人気になっているのだとか。改めてネット検索をすると、1時間前から投票所で並んでその権利をゲットしている人がいたり、自治体の中には一番乗りの人に感謝状を出しているところもあったりします。
 選挙の制度やしくみに関心が寄せられるのは良いことだと思います。

 もうひとつ。1票の権利を行使するときに、候補者がかかげた公約を比較して投票先を決めるのも大切ですが、政治の世界では公約が必ずしも守られていない現実もあります。日頃、それぞれの政党の政治家たちがどのような活動をしているのかにも、同じくらい関心を寄せていかないといけないだろうと、私は本校の生徒たちに語りかけたいと思っています。
 一時の感情的な流行とか口先だけの約束に惑わされない民主主義をどう実現していくか。これは古代ギリシアの時代から民主主義が抱えている最も切実な課題なのですから。

「来るべき県知事選挙を前にして民主主義の課題を考える」