「夏休み前の全校集会をポーランドとむすんで行う」

 今日が夏休み前最後の授業日でした。
 全校集会では、校長講話で「平和を望むなら何をすべきか」というテーマでウクライナ戦争をとりあげました。
 ウクライナの人々を支援するために、「直接的暴力」に抗するための軍事力だけでなく、「構造的暴力」(つまり貧困とか不平等にさらされること)に抗するための民間人の支援活動がとても大きな意味をもっているのだということを、生徒に語りかけました。
 古代ローマには、「平和を望むなら、戦いに備えよ」という諺があります。「平和を望むなら、平和を創る主人公になって人々を支えよ」が講話の結論です。(全文はコチラです。https://www.nagano-c.ed.jp/sonan-hs/pdf/20220727_kouwa.pdf )

 このような話をしたのは、7月上旬の蘇峡祭の地域物産店の利益(約2万円)を、生徒たちがウクライナの避難民支援に送りたいと希望して、長野県出身でポーランドの日本人学校の教頭先生をしながら、ウクライナ支援活動に奔走している坂本龍太朗さんに送金したからです。
 坂本さんのような民間人の活動こそ、ウクライナの人々を「構造的暴力」から救うとても大切な活動なのだと、生徒たちに伝えました。
 
 続いて坂本さんが、この超多忙な日々の中、ワルシャワから生徒たちにビデオメッセージを送ってくれました。9分にわたる語りかけは、とても心動かされるものでした。最後の部分だけを紹介します。
 
 「(前略) 今皆さんが学んでいることは、皆さんのためだけのものではありません。世界の人々をつなぐため、助けるために学んでいるのです。
 だから今回のウクライナ戦争についても他人ごととせずに関心を持ち続けてほしい。そして今でなくてもいいから、将来、ウクライナのために何ができるか、そして日本の平和のために何ができるかを、学びながら考えてほしい。
 以上が皆さんへの私からのメッセージです。終業式を自分の国で自分の言葉で迎えられる。それがいかに平和なことなのか、幸せなことなのか。学べることがいかに幸せなことなのかを、もう一度ここで考えてください。」

「夏休み前の全校集会をポーランドとむすんで行う」


 最後に生徒会長からお礼のスピーチと全校生徒からのエールを坂本さんに贈りました。

「私は、人の命を支えるための学びをしていくつもりなので、ウクライナの人々が普通に殺されてしまう現状は良くないことだと考えます。ウクライナで起こっている戦争について関心をもちつづけていきたい。」(生徒会長の上野さん)
「現在、感染症や各国の関係性など、たくさんの苦難があると思いますが、坂本さんがその苦難に打ち克てるよう、遠い場所からではありますが私たちは応援しています。」(応援団長の上田さん)

「夏休み前の全校集会をポーランドとむすんで行う」


 スピーチと全校生徒のエールはビデオ録画にして、ワルシャワに送りました。
 2022年の夏に平和について考えたことが、生徒たちの心の中に一粒の「平和の種子」を蒔くことになったのではないかと思っています。