「アンネ・フランクの隠れ家のポスターを飾る」

 夏休み明けに生徒を迎える準備をしています。
 校長室の入り口のところに、アート作品を交代で飾っている「校長室ギャラリー」に、第14回展示として、オランダのアンネ・フランク記念館のポスターをかかげました。こんな説明をつけました。

 「1942~44年、ナチス・ドイツに占領されたオランダで、ユダヤ人のフランク一家は、隠れ家で生活をした。一家はやがて密告によって逮捕され、収容所に送られた。生きのびることができたのは、父オットーだけであった。次女アンネ(13歳)は隠れ家の日々を詳細に記録しており、父は戦後、その原稿を『アンネの日記』として刊行した。」

 このポスターは、フランク一家の事務所兼自宅の3・4階に「もしものとき」に備えて作られた「隠れ家」の構造を詳しく描いています。入り口の秘密のドアには本棚を打ち付け、見事なカムフラージュをしてあることもわかります。
 アンネたち(父母姉と一緒)は、知人のファン・ダーン一家3人(アンネは一家の男の子ペーターのことを好きになります)と歯科医デュッセルと合計8人で、この隠れ家での生活を始めることになりました。戦争が終わる一年前の1944年8月5日、何者かの密告によって隠れ家が摘発され、8人全員が逮捕されるまで、隠れ家生活は約700日にも及びました。

 この危機の日々の中で、自分や世界を見つめ、感動的な『アンネの日記』を書いたアンネ・フランクのことを、私は心から尊敬しています。

「アンネ・フランクの隠れ家のポスターを飾る」