「ヘリコプターと学校環境」

 今年に入って、南木曽町では週2~3回のペースでヘリコプターが何回も山の中腹に物資をおろしています。木曽川の水力発電を大阪圏に送電するための鉄塔が老朽化したために、鉄塔の架け替え工事をしているからです。
 木曽川の対岸での作業とはいえ、ホバリングしているときのプロペラ音がかなり大きく、しかも一日に何回も行われます。工事業者から3年がかりのものだと聞いて、愕然としました。しかも町では(私が相談した時は)騒音ととらえていないとのこと。どの場所に住んでいるかによって音の響き方がとても違うらしいのです。

 6月に全校生徒へのアンケート調査を行いました。あわせて騒音測定器で実測しました。
 その結果を関西電力に伝え、共同で騒音調査を再度行うことにしました。文部科学省の学校環境衛生基準では、学校の周辺の音は55デシベル以下ということになっていますが、最大時75デシベルあるということがわかりました。ただし窓を閉めると45デシベルになります。
 関西電力からは、①冷房のない教室への冷風機を設置、②定期考査・式典・発表会などの日の飛行停止などの配慮をすることが約束されました。冷風機は7月から稼働しています。9月の飛行計画を見ると、平日の飛行回数をさらに減らしてくれているようです。

 ただ、これからの時期は冷房を入れずに窓をあけておいたほうがよいときもあります。新たに生じてくる課題は、関西電力と話し合いをしながら、私たちもどのような工夫ができるか、その都度考えていくつもりです。

 ちなみに、沖縄の嘉手納基地の騒音測定結果は、ピーク時に105デシベルであったという沖縄県の調査報告があります。身近な経験をもとに、世界の人々のことを想像するきっかけにもしようと、生徒に語りかけています。
「ヘリコプターと学校環境」