「前のめりになって考えたくなる問いを授業でかかげる」

 この9月は、本校の先生たち全員の授業を参観してきました。
 授業の前半か後半か、あらかじめ希望を聞いておき、その授業で生徒の努力を評価するルーブリックをどのように作成したかを提出してもらっています。

 授業を参観していくと、生徒たちの知的成長にあらためて感動しますし、先生方ひとりひとりの成長もひしひしと感じて嬉しい思いがしています。
 たとえば、地歴公民科の鷹野先生の2年「日本史A」の授業では、「日清戦争・日露戦争を防ぐことができたのはどの時点か」という問いについて、生徒たちが仮説をたて、タブレットパソコンに入力して、友人同士で対話をしました。

 「藩閥政治を温存した大日本帝国憲法の成立」をあげた生徒もいれば、「甲申政変」によって朝鮮半島の政治に日本が大きく関与したことをあげた生徒もいます。それぞれが自分の言葉で、なぜこの歴史事象を重視するのかを説明し、そのことが日清戦争・日露戦争のさまざまな特徴と深く関係していることが、生徒たちに共有されていきました。
 対話が活発になるためには、前のめりになって考えたくなる「問い」を設定することが必要です。そうした「問い」を考えられるようになること、そして生徒たちの発言をすくいあげて新たな認識の深まりを実現することが、教師の腕の見せ所と言えましょう。

 生徒たちの対話の姿にも、先生の「問い」のうまさにも、感心したひとときでした。

「前のめりになって考えたくなる問いを授業でかかげる」