「普段見られない風景のなかに身をおいて」

 今日から本校は、第3回定期考査。2学期制をとっているので、前期をしめくくる試験です。
 一日時計の針を戻して、昨日の山登りのことを報告します。

 三連休に相次いで台風が襲来したのですが、25日(日)はようやく晴れ間が見えそうな天気予報だったので、厚い雲がたれこめるなか、伊那谷の吉田山(1450m)を目指しました。二日後に83歳になる父と一緒です。
 吉田山は、飯田市の北にある高森町の代表的な里山で、三角形の端正な山容をしています。私は松川高校時代に毎朝、朝日に照らされるこの山を眺めながら自動車を走らせていました。

 今回は十数年ぶりの再訪で、伐採されて眺望が良くなったという評判の山頂がとても楽しみでした。登り2時間、やせ尾根を注意しながらひと登りすると、「おおっ」と思わず歓声をあげました。それまでの厚い雲と霧がなくなっていて、天竜川とその向こうにそびえる仙丈ケ岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳・塩見岳の絶景が広がっていたからです。
 南アルプスの雄大な山々の姿を見て、「ああこれを延々と飯田高校の生徒たちと縦走したなあ」と大鹿村の登山口から歩き出し、二日目の夜に甲府の夜景(!)をみおろして感動したことを思い出しました。

 汗をかいて身体を動かし、普段見られない風景のなかに身をおくことの爽快感を、あらためて味わった一日でした。
 ついでに山頂一帯には山ほどの山栗が落ちていて、夕食の食材にすべく「痛ッ」と何度も叫びながら、栗拾いにも夢中になりました。


「普段見られない風景のなかに身をおいて」