「3年生が同僚たちに見えてくるとき」

 後輩に役職をバトンタッチした3年生の旧役員との対話・最終回です。
 最後を飾るのは、代議員長(議長)をつとめてくれた原さんです。生徒総会の議論をまとめるだけでなく、執行部の核の一人として、様々な行事の運営を行ってくれました。

――議長として大変だったことは何ですか。
原さん「みんなをまとめるときに、自分ではわかっているつもりでも、そのことをみんなに伝えることは簡単なことではないと、わかりました。工夫をしないといけないんですね。ひとつには、プリントにしてわかりやすく伝えようとしました。もうひとつは、話し合って、考えを共有していく場を作ろうとしました。」
――蘇峡祭で、思い出に残っていることは何ですか。
原さん「コロナ予防と熱中症予防というふたつの大きな課題がありました。いっぽうで、みんなが楽しめる文化祭にしたい。この両立がどうすればできるのか、とても難しい問題でした。でも、だからこそ執行部では対話を繰り返して、運営の方法を考え出していきました。それは大変だったけれど、楽しいことでもありました。」

――生徒会の経験は、将来、どんなところに役立つと思いますか。
原さん「進学した先でも、積極的に行事の運営にかかわっていきたいし、さらにその先で仕事に就いても、自分の意見をどんどん言える社員になりたいと思っています。」

 原さんとの対話のなかで、人に伝えることの工夫とか、対話をして共有していくことの大切さが話題になって、これは校長と教職員の関係にもあてはまるし、社会の中で生きていくときに普遍的にあてはまることだろうと思いました。
 3年生たちは無我夢中で生徒会活動をするなかで、大人として大切なことを自ら学んで、社会で生きていく力を身につけているんですね。

 役職を終える3年生たちと対話をしながら、私は「同僚たち」と話をしているような楽しさを感じています。


「3年生が同僚たちに見えてくるとき」