「2万2600個の柿すだれが並べられる」

 我が家のある南信州の特産品は、市田柿というお菓子のような干し柿です。表面を糖の白い粉がおおい、とても甘く柔らかく仕上がります。スーパーで買うと、かなりの価格です。
 この時期は柿を収穫して皮をむき、一個一個丁寧にクリップにとめて紐に吊るし、硫黄で燻蒸し、専用の干し場に並べていく作業が、下伊那地方のあちこちで進められています。

 我が家も親戚の叔父・叔母の手伝いを借りながら、両親(妻の父母)が毎日作業を進め、本日、2万2600個の実による柿すだれを並べることが完了しました。私は休日に帰宅したときに作業をしただけですが、延々と柿をクリップにとめ続けました。柿のサイズを識別しながら柿すだれを作っていくのは、たいへんですが楽しくもあります。
 下伊那の農家の多くのように、我が家にも市田柿製造専用の作業納屋があります。今日で納屋一面が柿すだれになりました。

 まだまだこの先、両親の作業は幾段階にも重なっていきますが、完成した市田柿はおもに首都圏に向けて出荷されていきます。

 担い手の高齢化という問題があるのですが、特産品を守ることの大切さをひしひしと感じています。
「2万2600個の柿すだれが並べられる」


「2万2600個の柿すだれが並べられる」