「大空町教育委員会を訪問して高校の魅力化について深く考える」

 北海道オホーツク地区の視察出張の三日目は、北海道大空高校を支えている大空町教育委員会の生涯学習課参事・村山さんを訪問しました。
 大空高校を新しい高校として立ち上げるまでのプロセスを伺いながら、自治体と高校の連携のありかたについて学びました。
「大空町教育委員会を訪問して高校の魅力化について深く考える」


 とても印象に残ったことのなかからあえて二つだけ、ここに記します。

 ひとつめ。二つの高校を統合して新たな町立高校を作る案が最初に発表されたとき、当然のこととして反対運動がおこります。そのとき、あらためて町内の保護者にアンケートをとり、どのような高校が求められているのかを探りました。そのときの多くの意見は、①進路実現ができるような指導ができている高校、②多くの選択肢がある高校・・・でした。これを軸に、「存続」が第一目的なのではなく、「魅力化」を第一目的にして住民対話を重ねて学校づくりを行ったのでした。

 ふたつめ。高校魅力化のフェーズは、初期の「予算投入」主義から、やがて特色ある学科などを設置して生徒募集をする「差別化」主義になり、現在は地方創生の拠点を高校が担う「価値共創」主義が大切になっているだろうという認識です。その場合、学校は地域の「シンクタンク」の役割を果たすようになりたいわけです。

 以上二つのことは、私が蘇南高校で目指したいことを、より明確に言語化している(そして実践している)と思いました。私は、村山さんとお話をしていて、心ふるえる思いをしたのでした。
 今回の視察は、蘇南高校の今後の「魅力化」の戦略作りの基盤になるだろうと、同行した向井南木曽町教育長さんと一致しています。視察報告は、本校の職員会だけでなく、南木曽町政を推進する皆様にもしていきたいと思っています。

 大空高校の女満別キャンパスの前には、「メルヘンの丘」という観光名所があります。この風景を楽しめたのが、今回の視察旅行の唯一の息抜きでした。
 感染予防のために夕食はすべてホテルの部屋でコンビニ弁当をとり、南木曽で食べても網走で食べてもまったく同じ味だという発見をしました。(当たり前とは言え、驚きです。)オホーツクの味を楽しむことは、自分のお金で観光旅行をしたときの楽しみとしたいと思います。

 実は、今週・来週には県内外から連続4校の蘇南高校への視察訪問を受け入れます。うれしいことです。
 私が今回の視察旅行で心ふるえる思いをしたように、訪問してくださる方々におもてなしをできるのか、その責任を心に刻み、頑張る所存です。
「大空町教育委員会を訪問して高校の魅力化について深く考える」