「本当のジェンダーフリーとは何かを考えたいと思っています」

 本校では、校則の見直しを進めています。
 生徒たちに2段階かにわたって、校則改正についての意見を募集してきました。そのなかで、焦点は男女別の制服のありかたというジェンダー問題になってきました。

 ジェンダーについては全校集会のときに、私から生徒たちに身体的性差(セックス)と社会的・文化的性差(ジェンダー)の相違について話をするとともに、それぞれがグラデーションをもった多様なものであることを紹介してきました。(性指向と性自認のことも紹介してきました。)

 一方、3年生の探究学習のなかで「ジェンダーフリー」をテーマにかかげた班が、ジェンダー差別のない社会を作る方策を探究してきま した。
 生徒たちが問題意識を持ったことは、とてもよいことだと私は考えています。

 昨日は、本校の制服を作っている業者さんに来校してもらい、どのような制服改革の選択肢があるのかを打ち合わせしました。
 世の中の流れは、新聞報道に繰り返されているように、「ジェンダーフリー」の名のもとに、下の写真の服のように男女が同じものを着る方向に流れています。言わば性の単一化(男女兼用=ユニセックス)なのです。
 それは本当の「ジェンダーフリー」なのでしょうか。

 たとえば、男の身体をもった人が、女としての性自認をもっており、スカートをはいて「女性らしさ」を楽しんでいるときに、「かわいいですね、素敵ですね」と心からリスペクトできるような感性を育むことが大切なのではないでしょうか。
 身体にしても心のありようにしても、性にはグラデーションと多様な組み合わせがあり、それぞれを尊重できる世界観と感性をもつことが・・・、そして、その多様性がしばしば抑圧されてきたことについての問題意識をもつことが・・・、本当の「ジェンダーフリー」なのではないでしょうか。
 なので、ユニセックスですべてが解決するわけではないと思うのです。

 ではどうするべきか。生徒と一緒に、深く深く、考えていきます。

「本当のジェンダーフリーとは何かを考えたいと思っています」