「Zenagiさんと懇談してこれからの教育について考える」

 昨日、南木曽町の田立地区にあるホテル、Zenagi(ゼナギ)さんからお声がけをいただき、懇談をさせていただきました。
 古民家を修復したラグジュアリーな1日1組限定のホテルなので、前を何度も通りながらも、一生のうちで門をくぐることはないのだろうと漠然と考えていました。

 緊張しながら玄関を入ると、「おおっ!」、日本の伝統建築と調度品の美しさに、思わず声をあげてしまいました。竹細工やガラス工芸の灯りに枯山水の庭、巨木の梁が縦横に走る天井、すべてが圧巻でした。
 取締役の安藤さん(元オリンピック選手)とButlerのフェレールさん(アンドラ出身)から、この空間に存在するものたちのストーリーを聞きながら、宿泊客になったような気分を味わいました。

 大切なものは目には見えない・・・とは星の王子様のことばですが、今まで私たちがその脇を素通りしてきたものに、実はとても大きな価値があるということにZenagiの皆さんは気づいていて、それを新しい形のビジネスに昇華しているのでした。

 安藤さん、フェレールさんから、蘇南高校の教育のためにいくつものご提案をいただきました。これらが一つ一つ実現していけば、「丘の上から世界につながる高校」という目標が、さらに具現化されていくに違いありません。
 この新しい出会いに大きなワクワク感を抱きながら、Zenagiさんからの帰路につきました。

 「モノの生産から価値の生産へと視点・発想を切り替え、足下に眠っている潜在性の塊を、資源としていかに運用していくか」という原研吾『低空飛行』(岩波書店)の問題提起は、これからの世界を考えていくうえで、とても大切な視点だろうと、改めて思ったのでした。


「Zenagiさんと懇談してこれからの教育について考える」